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完璧で瀟洒な従者…だが男だ
第2話 銀髪に美しい顔立ちの転校生…だが男だ
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声が聞こえてきた。

「あ、咲夜さん。お帰りなさい、随分早かったですね?学校は如何でしたか?いや〜今日は大変でしたよ、久し振りにメイドの仕事をしましね…お陰でちょっと今日はいつも以上に疲れた気がしま……」

僕の後ろから聞こえてきた声に振り返ると、そこにはジョウロを片手に持って、人懐っこい笑みを浮かべているうちの門番が居た。
当然この状況下では指し示す人物は彼女一人しかいない。
恐らく、趣味の花壇の手入れでもしていたのだろうか。
だからといって門番が自分の持ち場を離れるとは何事か。
人が凄く心配していたのに、この人から毒気を抜くような笑顔には、怒る気も無くなる。

と言うか大体、僕の抜けた穴を誰が埋めるかとなれば美鈴くらいしか適切な人物は居ないので、その事を全く考えてみもしなかった僕にも落ち度はある。
まぁ要するに、僕も瀟洒な従者とは言えぬようなうっかりをしてしまったということだ。

「…美鈴」

となると、彼女に言うことは一つだ。

「?何ですか、咲夜さん?」



「ただいま。あとちょっといい?」

「はい?」



完全な余談だが、門の前で執事服の少年に怒られている華人小娘の姿が近隣で見られたとか。


◆◆◆

そしてその夜。
お風呂上がりのお嬢様の髪を乾かしている時の話。
ちなみに僕はちゃんと目隠しをしてます。
…隙間から覗くような真似はしてないよ?本当だよ?

「咲夜」

「はい、お嬢様」

「学校はどうだった?」

「まぁ少しは楽しめそうですよ」

「そう…」

「お嬢様?如何されましたか?」

「今の内に日常を楽しんだ方がいいわ、彼処はじきに戦場になるわ」

「はい。…え、お嬢様今何と?」

「さぁ?もういいわ、貴方も早く寝なさい。明日も学校でしょう?」

「あ、はい」

(絶対に悪魔達には関わらないようにしよう!)

そう思う僕だった。



しかし、彼は気づいていなかった。


──その時点でもう既にフラグだと言うことに。




























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