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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第八七幕 「買い物道とは待つことと見つけたり」
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はちょっぴり自分が情けなくなった。
「ちょっと!?は、離してください・・・!」
「はぁー、久々のハグ・・・来るものがあるわね」
「何が来るんですか!セクハラで通報して警察呼びますよ!?」
「私とユウちゃんの仲じゃない♪チューする?」
「しませんよ!!いいから離して・・・っ」
本当に何なんだろうか、この人は。初対面の人間にいきなりやっていい馴れ馴れしさではない。むしろこれは子供を可愛がる親かなにかのような、そういう態度に等しいような気がした。良い大人が分別を弁えずに青少年にセクハラをする事件は全国的に増加傾向にあるが、まさか自分がここまでダイナミックに公衆の面前で辱められるとは思わなかった、とユウは自分がすぐにこの場を離れなかったことを後悔する。
「むぅ、そこまで本気でいやがられると傷つくな。これも反抗期って奴ね・・・お母さん悲しいわ?」
「なぁにがお母さんですか!大体反抗期ならとっくに過ぎました!!」
「ううぅ・・・そっか。反抗期過ぎちゃってたんだ」
「・・・?」
今度は何故か悔しそうにがっくり肩を落とす。よく分からないが脱出のチャンスなので素早く手を振りほどいてエスケープに成功した。しかし変な人だ。悪い人ではなさそうだが、本当に変な人だ。まるで兄のようではないか。・・・兄ならこの辺で落ち込んだふりをしつつも虎視眈々とからかう機会をうかがっている事だろう。やはり長居は無用だ。
「よく分かりませんが、いい年なんですからあんまりみっともない真似しないように!では、僕はもう行きますよ!」
逃げる際、一つ違和感に気付いた。そういえばあの人は自分を「ユウちゃん」と呼んだ。何で名前を知っていたのだろうか?名乗った覚えはないのに。他にも言い知れない違和感は感じたが、ひょっとしたらテレビで自分の事を知った熱狂的なファンとかなのかもしれないと思い直したユウは急いで皆の所へ走ることにした。
「あらら、行っちゃった」
謎のショックから立ち直った女性はユウの背中を見送り、また微笑んだ。笑みの含む意味や意図は周囲の人間からは全く分からない。ただ、それは行きずりのセクハラ犯が浮かべるほどに浅いものではなかった。
「さて、ユウちゃんも行っちゃったことだし任務に戻ろっかな。あんまりサボると怒られるし」
実を言うと自分はまだ彼と接触してはいけないことになっていたのだが、つい我慢できずに何も知らぬふりをして顔を合わせてしまった。本当ならばもう一人会いたい子がいるのだが、流石にこれ以上は上司からストップがかかってしまうだろう。
―――彼らと自分の住む世界は違う。決して交わることのない、表と裏の世界。しかし、自分はもうすぐ表へと姿を現すことになる。果たして彼は、私の正体を知ることが出来るだろうか?それは、彼のこれか
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