暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第八七幕 「買い物道とは待つことと見つけたり」
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難が増えた気がするユウにとっては、気の許せる友達と語らう時間はそれだけで非常に有意義だった。

「ははは、ユウは最近更に大変なんだよなぁ。今日も女の子3人を同時に相手することになって・・・」
「そうか・・・・・・ユウ!友達と見込んで頼みがあるんだが、一人くれ!」
「やらないよ、僕の物じゃないんだから・・・というか、そういう女の人をモノみたいに言うのは感心しないね。そんなんだから女の子にもてないんじゃない?」
「ぐべらっ!?」

言葉のナイフは今日も血に飢えておると言わんばかりに突き刺さった「もてない」の一言に、弾は出会って数分で撃沈した。多分だが、自分でもちょっと自身の発言に負い目があったのかもしれない。それにしても、と一夏は女子達の様子を遠目に確認する。

「女子連中はまだ盛り上がってるなぁ・・・お、蘭が佐藤さんに捕まって更衣室に引きずり込まれた」
「これはまだまだ時間がかかりそうだね・・・僕、ちょっとトイレに行ってくるよ。暫く荷物よろしく!」

どうせ待ち時間は暇だから、せっかくなのでトイレ帰りに飲み物とつまむものを買おうなどと考えつつ、ユウはその場を後にした。残されたのは・・・

「うぅ・・・御免、蘭。お兄ちゃんは駄目な男だ・・・・・・」
「おい弾、気にし過ぎだぞ?」

一夏の膝に縋りついてしとしと涙を流す弾とそれを慰める一夏というかなりシュールでホモホモしい光景だった。



= = =



ふと洗面台の鏡を覗き込むと、自身の顔が映し出される。他人には少し童顔だと称されるこの顔は果たして成長しているのかしていないのか、自分では判断が付きにくいところだ。兄や父に聞けば答えてくれるだろう。アルバムを覗けば答えはあるとも思う。しかし、逆を言えば外見は客観的に自分の容姿変化を判断できる情報材料なしには自覚しにくいということだ。

「でも・・・もう少し男らしい顔にならないかな、これ」

童顔だと損することも多い。実年齢より年下にみられることは勿論、微妙に子ども扱いされたり侮られることが良くあるのだ。もう少し身長が伸びればそれも無くなるかもしれないが、ユウもジョウも体格はそこまで大きくない。兄がそうであるならばユウもそうである可能性は高いだろう。つまり、身長が伸びにくい家系という訳だ。
トイレに行きつくまでも何度か逆ナンされかけて、彼女がいるような風に装って何とか逃れた。いや、むしろ最近は男子が女子を口説く方を逆ナンと呼び始めている位なのだが、とにかくその手のトラブルを引き寄せる顔というのは少し不満が無いでもない。

「・・・・・・やめよう。こんなこと言ってるの弾に聞かれたら絶対逆恨みされるし」

洗面台から離れ、トイレを出る。女性に声を掛けられやすい顔が嫌だなんて弾の前で言っては本気で殴られ
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