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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第八六幕 「クイーン・セシリア」
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「セシリアー、お腹すいたからさっさとデパート行こうよ? 」
プレッシャーが途切れる。絶対遵守の呪縛が消える。絶対者然としたセシリアが、その興味を別の方向へ移した。その場で一人として動けるものがいない中、彼女の隣という最も凄まじい重圧があったであろう場所にいたその少女は、あっけらかんと空腹を訴え―――人々は解放された。
それは正に市民革命によって貴族の過度な抑圧から解放されるように、その場の人間を次々に重圧から解放していった。たった一人の少女の進言が国を動かしたかのようであった。
――それは、普通と呼ぶには特殊すぎた。
――平凡で、変化が無くて、ありふれていて、そしてあまりにも動じなさすぎた。
――それは、正に「佐藤さん」だった。
「なんかこの人たちも強引な客引きに反省したみたいだし・・・あー何だか天丼食べたいからどんぶりおいてあるところにしよう、そうしよう!」
「ドンブリですか?ふむ・・・最近、ヒツマブシという料理が気になっていたので丁度良いですわね。和食の店にしましょうか」
「お、ひつまぶしは美味しいよー!たまにひまつぶしと間違える人がいるけどね!主にウチのお父さんとか!」
彼女たちの進行ルートにいた人々がモーゼの十戒さながらに開き、そこを通り過ぎる二人の少女が十分にその集団から離れてから―――セシリアに突っかかっていた女性は膝から崩れ落ちて大きく息を吐いた。
酸欠で意識がぼやける中、後からやって来たらしい数名の人々の言葉が断片的に耳に入る。
――流石はお姉さま!――
――・・・リアさんは格が違ったかー――
――安定の佐藤さんだった――
――ある意味、佐藤さんの方が、凄い――
(ああ、あのサングラスの子は佐藤っていうのね)
いつか必ずお礼をしなければいけないなと考えつつ、彼女はそこで意識を失った。
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