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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第402話】
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の手はまるで機械の手で、ISに近い形のマニュピレーターだった。


「こ、これは――」

「残念だったな、スコール・ミューゼル……!」


 紅蓮の炎から抜け出る漆黒の機体は、その身にまとわりついた炎を吹き飛ばした。


「……!? その機体――エムから報告のあったアメリカの新型――」

「残念だが、アメリカの新型じゃないぜ!」


 赤いツインアイが煌々と輝きを放つ、握られたナイフの振るうと、剣閃が易々とスコールのIS周囲に張られた熱線のバリアを切り裂いた。


「そ、そんな……!? 未だ破られた事のないプロミネンス・コートが……!?」


 切り裂かれた熱線のバリアに、驚きを隠せずにいたスコールに更なる強烈な一撃が叩き込まれる。

 粒子形成されたビームライフル、その砲口を切り裂いた熱線のバリアの向こう、絶対防御が必ず発動する晒された生身の箇所に押し当てられると、トリガーを引き、その砲口から何度も粒子ビームが放たれ、絶対防御を発動させた。

 逃れようとスコールは動く、だが有坂陽人の機体【黒夜叉】の反応速度と言い様の知れないプレッシャーから単調な逃れ方となり、簡単に動きを読まれて逃げることが出来ずにいた。


「す、凄い。 ……これが……ヒルト君のお父さん……」


 楯無は再度息を飲む、最初から有坂陽人の劣勢だと思っていたのは、襲撃者であるスコールと楯無の二人だけ――そもそも、場には二人しかいないのだから当たり前といえばそうかもしれない。

 だが、仮に百人居たとしても生身の有坂陽人が勝つと信じる人間はいないだろう。

 黒夜叉の激しい銃撃により、スコールの機体の金色の装甲が次第に破損し、破片を撒き散らせる。

 既にビームライフルを捨て、両手に構えたナイフによる攻撃へと切り替わり、スコールの反撃すら許さず終始圧倒していた。

 プロミネンス・コートによる防御膜も既に意味は為さず、何度も何度も絶対防御が発動し――。


「くっ……このままじゃ……!」


 焦りの表情と共にそう呟くと、閃光手榴弾を自身の機体の足元に落とす。

 それが破裂――一瞬の目映い光が観客席を包むが、それはほんの一瞬でアリーナのバリアーの向こう側のヒルト達は全く気付かなかった。

 そもそも、この場所が皆の居るアリーナから離れていることもあって、戦闘に気づく者はいないだろう。


「……逃げられたか。 まあ逃走に力を注いだ様だし、追っても無駄だな。 お嬢ちゃん、無事か?」

「え、えぇ。 すみません……え、援護出来なくて」


 萎縮した楯無は、深々と頭を下げた。

 それを見た陽人は、きょとんとするも――。


「気にするなよお嬢ちゃん。 それに、この狭
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