2ndA‘s編
第九話〜見え始めた全容〜
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自身の思考によって即座に否定される。
(あくまで守護騎士は夜天の書とその主を守る存在であり、何かを滅ぼす存在ではない。もし夜天の書の完成時にその場にいたのなら、あの人たちはどんな主であろうと助けようとするはずだ)
たかだか数ヶ月の付き合いで彼女たちを理解していると言うつもりのないライではあるが、少なくとも彼女たちがどの様な人柄であるのかぐらいは知っていると思いたかった。
ある意味でそれは一方的な信頼であるが、〈ライ/王〉が信じるに足ると認めた騎士であるからこその評価でもあった。
とにかく夜天の書完成時の状況も聞くために、目の前の彼女に再び視線を向ける。
しかし、ライが質問を口にすることはなかった。
口を開こうとする前に、どろりとしたような熱と蠢くような脈動がその空間全てに走ったのだ。
その生々しい感触に不快感がこみ上げてくるが、それをねじ伏せライは彼女に問いただす。
「これは――」
――なんだ、と続けようとしたがその言葉を飲み込んでしまう。
目の前の彼女は夜空を見上げるように顎を上げ、そして先ほどとは違い諦め切った表情をしていたのだから。
「……そうか、ここまでなのだな」
その言葉と共にライの視界は白く塗りつぶされた。
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