参ノ巻
死んでたまるかぁ!
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。苦手でしたら無理をせず、食事を作るのは別の者に任せれば良いのでは…」
あたしは思わぬ横やりに角を引っ込めて抹を見た。あら。そうか、抹はここに駆け込んできたくらいだし、まさか石山寺にこいつ一人しかいないなんて思っても見ないに違いない。あたしだって聞いてぶっ飛んだぐらいだもん。
しかしあたしは抹の鼻先にずずいと人差し指を突きつけると、言った。
「ちっちっち、あまーい、抹!例え小坊主が何人居ようとも、何でも自分で出来て損はないはずよ。この戦国だったら、いくら寺の主と言えど、いつどこで焼き討ちに遭って一人彷徨うことになっても不思議はないわ。その時になって何にも出来ませんじゃ命に関わるのよ。これは庵儒のためでもあり、美味しい食事にありつけるかどうかと言う、あたしたちの問題でもあるのよ!わかった!?」
「あ、は、はい…」
抹はあたしに気圧されたように頷いた。
まぁ、惟伎高、と言うか石山寺の顔を立ててあげましょうか。誰もいないってバレるのも時間の問題だと思うけれど。むしろ一週間石山寺で暮らしててあたしたち以外の誰にも会わないことを不思議に思わない抹って…。
「そんで庵儒!あんたは花の乙女の体に、いつまで手を回してんの、よ!」
あたしは足下にある、一抱えほどの大きな盥をむんずと掴んだが、惟伎高は危険を察知してすぐさまあたしから飛び退いた。
「ピィ!それァダメだァろ!?」
「あたしは高いのよ」
「怖ェ女だァな…」
「何か言ったぁ?あ、ん、じゅ、サマ?」
「ナニモイッテマセェン」
「うふふ〜一人前の口聞くのは美味しい味噌汁作れるようになってからにしなさいね?庖丁煮込んでいるようじゃ先は長いわよ!」
「便利かと思って…」
「なにが、どこが!?抹〜聞いてたでしょ〜この惨状を〜お弁当が今日中に出来上がる気が全くしないよ〜どうにかしてぇ〜…」
「あ、尼君様…ええと…あの…」
…そんな感じで時間はあっという間に過ぎ去っていき、お天道様が真上に差し掛かろうという頃、やっと三人の渾身の力作は完成したのだった。
「や、やっと、できたぁ〜…」
おべんとひとつにどれだけ時間かかっているんだか…。あたしはげっそりとしながらできたお弁当を風呂敷に包んでいた。腕組みをした惟伎高が隣でそれを覗き込みながら、ノンキに口を挟む。
「もうここで食った方が早ェんじゃねェかァ?」
ぬぅあにを〜?人の気も知らないで!
「ばかっ!ここまで苦労して
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