参ノ巻
死んでたまるかぁ!
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、跳ねっ返りのあたしは案外丁度いいのかもしれない。
「よーし抹、夫婦になりましょっか!」
あたしは最後のおにぎりを口に押し込み、食べ終わった弁当を片付け終わってから、素早く抹の腕をとって自分の腕と絡める。
あわれ抹は、口もきけない有様で火を噴きそうな程赤面してしまった。
ぷぷぷ。なーんで女の子相手でもこんなに真っ赤になってしまうんだか。
「ね、抹、返事は?」
あたしはぐぐいと抹に顔を近づけ、にっこりと笑った。
「そこまでだ」
にゅっと腕が割り入ってきてあたしは抹からべりりと剥がされる。あたしはいたずらをやりきれなかった不満で唇を尖らせた。なんだかいつもいつもいいところで、惟伎高は邪魔をするわよね!
「煽ったのはあんたのくせに…なに、あんたは抹を守る従僕か何かなの?」
「はァ、何でだ?どっちかってェ言うと…」
惟伎高は言葉を切るとあたしを見て、これ見よがしに溜息をついた。
「あまり男を侮るんじゃねェぞ。いくら外見がか細くたって男は男。おまえは女なんだからなァ」
「う、うん…?」
なぜかあたしが説教されて、当然その話の飛躍についていけず、よくわからないながらとりあえず頷いておく。
「どうも心配だァな。おまえはしっかりしているようで肝心なトコが抜けてるから」
「御言葉ですが、どこが抜けてるってのよ」
「そう言うとこがだァよ」
「だからどういうとこが…」
「ついてる」
へ、と思っていたら、惟伎高の指が伸び、あたしの頬に触れた。離れた奴の手には、ごはんつぶが乗っていた。は、恥ずかしい…この歳になってこどもみたいにほっぺにごはんつけてるなんて…。と思っていたら、なんと惟伎高はとったご飯粒をそのまま食べた!そしてあたしに視線を合わせたまま、にやりと笑う。それが色っぽいというかなんというかで、あたしは恥ずかしさと相俟ってさっと頬が赤くなるのがわかった。
な、な、何なのこの男…!
「あんた今日ちょっとおかしいんじゃないの!」
「ふン?」
あたしがきゃんきゃん吼えても、惟伎高はにやにや笑うだけだ。
い、いけない…あたしは自分が恋愛経験少ないってこともわかってるし、このテの話に弱いって事も重々承知だけれども、本格的に惟伎高にそれを悟られてしまったら、一生こういう感じで遊ばれてしまうわ!極力動揺しないようにしなきゃ…なんかもう手遅れな気もするけど!
そんなこんなで、花より団子を満喫したあたし達はぎゃい
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