第3章
月光校庭のエクスカリバー
第68話 死人の兵士
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「え〜とですね、私の研究が産み出した…失敗作…ですかね」
「……失敗作?」
「私、今とある研究をしていましてね。テーマは死人の兵士です…」
「……死人の兵士だと!」
「ええ。どんなに優れた人間も死んでしまったらおしまいです。そんなの勿体無いじゃないですか。優れた能力が訪れる死によって価値が無くなるなんて。中には悪魔の駒(イービル・ピース)によって悪魔へ転生する人もいるかもしれませんが、全員がそうなる訳じゃない。そこで、生き返らせるとまでは行きませんが、死人を生前の能力をそのままにして戦う事のできる兵士にすると言う研究を始めたのですよ」
「死んだ人達に対する冒涜行為よそれは!」
カリスが語った研究内容にイリナが声を荒げて言うが、奴はどこ吹く風と言った様子だった。。
「まさか!お前がこれまで人を殺してきたのは…」
「ええ、実験素体集めの為ですよ。賞金稼ぎ(バウンティーハンター)になったのは理由は、良い素体が賞金首の中にいたのと、研究資金を得る為ですよ。もっとも、資金はついでですが」
「お前は自分の研究の為に五万人以上の人を…」
「正確には六万と百八人ですね」
「……ご丁寧に数えてるのかよ!…」
「几帳面なもので。そして、彼らの被験体名は研究テーマをそのまま流用して、死人の兵士(デッド・ソルジャー)と名付けました。とは言え、先ほども言いましたが、彼らは失敗作ですよ。動きは単調ですし、生前の能力をほとんど引き出せて無いですし。とりあえず、多少の身体能力強化を施しましたけど、それでも、大した戦闘力はありません。まあ、数だけはいますが…」
パチン。
そう言い、指を鳴らした瞬間、複数の魔方陣が現れ、そこから三十人くらいの動く死人が現れた。
神父以外にも犯罪者風な奴もいれば、明らかに一般人風な奴もいた。
「貴方達はなかなかの素体ですから、あまり損傷無く仕止めたいですね…」
パチン。
もう一度指を鳴らすと、死人達が一斉に襲い掛かってきた。
だが、奴が言った通り、多少は身体能力が強化されているのか、常人とは比べ物にならない身体能力を持っていたが、動きが単調な為、はっきり言って、これだけの数がいても、有象無象であった。
俺達は特に難無く死人達を撃退していった。
俺は死人達の相手をしながら、カリスの動向を警戒していた。
奴はただ笑みを浮かべて傍観するだけで、戦闘に参加しようとはしなかった。
(……何だ?何を企んでる?…)
俺は奴の笑みを見て、嫌な予感を覚える。
ふと、死人の一人の胴体を斬り裂いた時、妙な手応えを感じた。
それは骨とも内臓とも違う、人体に無い固形物の感触…。
(まさかッ!?)
俺はカリスの方に視線を向ける。
「ま、多少は傷物になっても仕方ありませんか…」
奴が指で眼鏡を軽く押しながら、そう呟かれた瞬間、俺は皆
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