第128話 劉協と董卓の不和
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劉協の返答に力無く言った。
「もう終いか?」
「いいえ。世間話でもしませんか?」
「そうか。賈?、お前も加わるのか?」
「陳留王がお許しくだされれば」
「許す」
「ありがとうございます」
賈?は深々と拱手をした。
「おい、三人分の焼菓子と茶を持て」
劉協は侍女に命じて茶会の仕度させた。劉協は自分の指定席に腰をかけた。董卓と賈?は劉協が座るのを確認すると彼女に倣い台を間に挟み椅子に腰かけた。
「お前達は都の生活には慣れたのか?」
「はい。おかげさまでつつがなく生活できています」
「それは良かった」
劉協は董卓に笑みを返す。すると茶会の仕度を終えた侍女が三人に焼菓子と茶を配膳していく。それが終わると侍女は劉協に一礼し去っていた。
「月、市井の者達はどうしている。相変わらず飢えておるのか」
「はい。努力をしておりますがもう少し時間がかかると思います」
「そうか」
劉協は悲しそうな表情で湯のみを持ち茶を口にした。
「私も茶でなく白湯に変えるかの。菓子も暢気に食べておれんな」
劉協は少し俯き独白した。
「陳留王、そこまでなされなくても」
「民の飢えているのに贅沢はできまない。私は食事が出来て寝るところもある。民からすれば今でも十分贅沢すぎると思う。月は気にすることはない。私の偽善でしかないのはよう分かっている。それでも何かしたいのだ」
劉協は月に力なく微笑みかけた。月は劉協の言葉に心討たれた様子だった。対して賈?の表情は沈黙したまま何も答えなかった。
「車騎将軍は冀州にて内政改革を行い農産物の増産に成功していると聞き及んでおります。車騎将軍のご協力を得ることができれば、都の民の暮らしぶりを解決できるのでないかと思います」
「車騎将軍は有能なのだな。月、賈?。お前達も車騎将軍を見習い頑張ばらなければならないな」
「はい!」
劉協は正宗の話を聞くと我がことのように嬉しそうな表情だった。董卓は劉協の激励に力強く返事をした。
「ところで賈?。先ほどからお前の話は車騎将軍のことばかりだな。お前は車騎将軍を河南尹に推挙したいと思っているのか?」
「いいえ。そのようなことは」
「では何故そのようなことを言う」
「車騎将軍に内政のご指南をしていただきたいと常日頃より考えておりましたのでつい」
「賈?、お前はよくやっていると思っている。自身を持て。いずれ結果がきっと出るはずだ」
劉協は賈?に諭すように言った。月は笑顔で二人を見ていた。
「ありがたきお言葉感謝いたします」
賈?は拱手して劉協に礼を述べた。
「車騎将軍に面会を望むなら皇帝陛下に願いでればよい。兄上なら聞き届けてくれるのでないか? まあ、お前の多忙振りを見
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