第128話 劉協と董卓の不和
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。これに劉協は激昂した。劉協は兼ねてより専横を極まる張穣率いる十常侍を蛇蠍の如く嫌っていた。それを排除しようとした麗羽に劉協は好意的に思っていた。また、麗羽が友の契りを交わした正宗の妻であることもあり、賈?のした行為がどうしても許せなかった。
そして、劉協は麗羽の件で董卓達を糾弾した。しかし、賈?はどんな理由があろうと宮廷を混乱させた麗羽を捕まえることは当然と劉協に抗弁したため、逆に劉協は賈?に「お前達はどうなのだ!」と罵声を浴びせたのだった。劉協にしてみれば麗羽の行いは奸臣を排除するための義挙。董卓達は禁軍を掌握し百官を武力で恫喝して権力を得ようとする奸臣に写っているだろう。ただ、劉協の様子から董卓に対してだけは好意的な感情を持っているように見て取れた。
「詠ちゃ、尚書令は決して悪意を持って袁本初殿に追手を放ったわけではありません。彼女は職務に真面目なだけです。陳留王、どうか尚書令のことをお許しください」
董卓は悲しそうな表情で必至に劉協に訴えかけ頭を下げた。賈?は董卓の背後で董卓に倣い頭を下げた。
「月、お前の友を悪し様に言いとうはないが、そちの見立ては間違っておると思うぞ。そやつは袁本初に追手を放った理由は拘束が目的ではなかろう」
劉協は賈?を蔑むような目付きで賈?を見た。
「陳留王、恐れながら申し上げます」
「なんじゃ」
「目的と仰るのはどういう意味でございましょうか? 私に二心などございません」
「賈?、お前は袁本初を拘束した後、車騎将軍を脅迫するつもりでなかったのか?」
「そのようなこと滅相もございません」
「月並みよな」
劉協は賈?の返答は予想がついていたのか、興味が失ったように席を立つと庭園を見渡すことができる縁側にゆっくり移動した。董卓と賈?は劉協の後を追う。
「陳留王、袁本初殿の件は私が尚書令にきつく申し付けております。どうかお怒りをお沈めくださいませんか」
董卓は必至に賈?への許しを乞う。
「月。もうよい」
「では?」
「許す」
「ありがとうございます」
董卓は満面の笑みで劉協に礼を言った。
「陳留王。寛大なお心に感謝いたします」
賈?も劉協に礼を言うと劉協は頭を軽く縦に振り返事した。
「それで今日は何用だ」
劉協は「要件は早く言え」という表情だった。
「はい。陳留王は車騎将軍とはお知り合いでございますか?」
董卓は短刀直入に劉協に聞いた。側に控える賈?は董卓の言葉に驚いている様子だった。
「車騎将軍と会ったことも話をしたこともない。だが、機会があれば会ってみたいな」
劉協は動じることなく董卓に答えた。賈?は劉協を一挙手一投足見逃すまいと凝視していた。
「そうですか……」
董卓は
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