第128話 劉協と董卓の不和
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王のことは月に任せるわ」
「月にか。無理やないか」
「大丈夫。私が補佐するし」
「余計に心配やな」
張遼は賈?の言葉に心配そうな表情を賈?に向けた。
「何がよ?」
「賈?っちが行くと火に油を注ぐことになると思うんやけど」
「仕方ないでしょ。月だけじゃ腹黒いことを出来るわけがないじゃない」
賈?は眉間に皺を寄せ張遼を非難した。張遼は「自分のこと腹黒いと認めるんか」と言っているような表情をしていた。
「劉正礼のこともあるしね。どうしても陳留王の協力は不可欠だわ」
「陳留王と劉正礼にどんな関係があんねん」
賈?は面倒臭そうなに張遼を見て口を開く。
「わからない?」
「真逆、陳留王と劉正礼が恋仲とかか? 無いやろ」
張遼は腹を抱えて大笑いをした。
「恋仲なわけないでしょ!」
「じゃあどない関係と言うん?」
張遼は笑いを堪え、青筋を立てる賈?を見た。
「まだ確信は持てないんだけど、劉正礼は陳留王の後見的な立場じゃないかと私は睨んでいる。でも、公式にと言うものじゃないと思うの」
「どういう意味や?」
「劉正礼の昇任の速さは普通じゃないのよね。彼は宗室だけと皇族じゃないのよ。分かる? まあ、三公を輩出した名門の出身ではあるんだけど、それを考慮しても昇任の速さは普通じゃない」
「先帝の覚えが目出たかっただけとちゃうん」
「それはあるんだしょうけど気になることがあるの。劉正礼は何進派でしょ」
「そりゃ、そうやろな。劉正礼の妻・袁本初の上司は何進やったんやろ?」
「ええ。でも、劉正礼は張譲派にも足を突っ込んでいた感じがするのよね。ううん! 違うわね。張穣派じゃなくて先帝派と言った方が正しいわね」
「二股かい。そんな真似してただじゃすまんやろ。隠し通せると思えんで」
張遼は「ありえへん」という表情で賈?を見た。
「張穣派じゃなく、先帝派と言っているでしょ。だから問題にならなかったのよ。先帝の密命であれば、バレようが何進が騒げる訳ないじゃない。知ってても黙認せざる負えなかったと思うの」
「先帝派ね。先帝派は何をしようとしていたんや」
「皇帝陛下が即位される前、激しい後継者争いが起こったのは知っているわね」
「知っているで。ウチ等も張穣と談合しとったからの」
「何進派は『劉弁』、張穣派は『劉協』をそれぞれ推したことが後継者争いの発端。先帝は『劉協』を次期皇帝に推したいと考えていた。劉協は後ろ盾が誰もいない。彼女の母は何皇后の嫉妬から死に追いやられた。唯一、彼女の支えとなったのは先帝の母君の董太后。先帝は不安だったでしょうね。自分が死んだ後、皇帝に即位して欲しい劉協を支える者が誰もいないことに。政争に敗れて死ぬかもしれないんだし」
「そこで劉正礼か」
「そうよ。
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