第33話「ネギまと俺〜誤算×誤算〜」
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が吐き出される。
「っ!」
Xガンから見えない銃弾が放れた。だが、既に狙いがばれていたその射撃は目標となった楓に当たることなく大地―正確には船の屋上だが―に着弾。数秒の後、爆破。
避けられたことを悔しがっている暇は彼にはない。背後に迫っていた刹那の木刀を、しゃがむことでタケルはどうにか避ける。が、その行動も既に予測済み。
気付けば目前にまで迫っていた蹴りに、どうにか反応。慌てて後退し、一旦距離を――
「■■■■■■」
――置けなかった。
「しまっ!!」
数え切れないほどの雷弾が、タケルに襲い掛かっていた。
計37発。
それが余すことなくタケルの身に降り注ぐ。
煙が立ち込め、視界が覆われる中それでものどかの鋭い声が響く。
「まだですーー! 全然効いてません!!」
これまでネギ達がタケルを掌の上で踊らせること約1分。それまでにネギ達の攻撃を彼が被弾した回数、実に先ほどの37発を含めて、44回。
その内、タケルの行動をのどかによって口にされた回数は既に10や20では数え切れない。
――疑いようもないな。
なかなかに晴れぬ煙の中、その疑問に、タケルは解を導く。
――宮崎さんは心を見ることが出来るんだな。
「あうっ!?」
声には出さず、内心で思っただけの言葉にあからさまな反応。
図星。
「つまり、一番最初に離脱させなければならなかったのはキミ、宮崎さんだったということか」
「あ、あうあう〜〜、次は私みたいですーー」
焦ったように放たれた言葉の意を汲み、アスナとクーがのどかを守るように立ちはだかる。彼女達という壁がある限り、強引に攻めても功を奏すことはない。
「……もう、止めてください」
――この言葉を聞くのはこれで、何度目だろう。
いつの間にやら晴れた煙の中、ネギの声が小さく響いた。その表情には真剣で、どこかタケルを心配しているような色が含まれている。
だが、そのネギをタケルは無視する。
――いい加減、その甘さに気付くべきだな。
口を開くことも、目を向けることも最早ない。今、彼にとって対処すべきは目の前の少年ではない。本に目を落とし、必死にタケルという敵の動きを叫ぶ少女だ。
「……ふぅ」
小さな息がタケルから落ちた。
――例えば、心を読むことが出来る敵と対峙したとしよう。そんなとき、選択する道はあまり多くない。
まるで、誰かに語りかけるように、心の中に言葉を紡ぎだす。
――心を読まれても関係ないほどに速い動きで戦うか、心を消して戦うか。
もちろん、タケルにはそのどちらを実行することも無理だろう。ネギにも楓にも刹那に
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