置き忘れた生ごみ
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胃を撫でた。彼自身が与えられた任務はなく、伝えられるのはアレスからの報告だけであったが、正直なところその報告も課長だけにしてもらいたいと思う。
任務とは別のところで、彼の仕事は増えていた。
本来は半年後に行うべき改修計画が前倒しされているのだ。
関係する部署は山のようにあって、その説明を求める意見がウォーカーに殺到している。
それに対してウォーカーは全てをぶちまける事も出来ず、かといって関係部署からのもっと時間をかけてほしいとの要請を受け付けるわけにもいかない。
ただ方針が変更となったと調整し、説得する。
その点で言えば、ウォーカーは決して無能ではなかったのだろう。
正直に話すこともなく、急な変更に対して対応しているのだから。
その分飲んだ胃薬の量と白髪は着実に増えていたが。
かといって、音をあげるわけにもいかない。
本来は一年以上をかける計画を、彼の部下は数カ月で行おうとしているのだから。
しかも腹立たしい事に生き生きとして。
遅れて会議室から出てくるアレスを一瞥すれば、ウォーカーは胃薬を飲み込む。
小さく呟いた恨みの言葉は、けたたましくなった電話の音にかき消された。
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