そう……巨龍召喚 後半
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、私に教えてくれた唯一のものですから〜」
『常に笑顔であれ。誰に対しても優しくあれとは言わない。それでも、大切な人には優しくあれ』
かったい口調で、口癖のように私に言ってくれたこと。
そして、毎日私に愛情を注いで、優しくしてくれた。そんな日々が、今の私を作っているんですよね〜。
「・・・ううん、それはいいや。でも、このまま消えさせてはくれないんだよね?」
「あたりまえじゃないですか〜。何のために、あんなに大変な思いをしたと思ってるんですか〜?」
「優しいねぇ、葵ちゃんは。・・・前にあげたロザリオ、ある?」
首から下げていたそれを取り出すと・・・ミカさんの魂は、そこに入って行きましたぁ。
「・・・こんなのでいいんですかぁ?」
『こんなのって、ひどいなぁ。僕自ら作った、破魔のギフトが宿ってる十字架だよ?』
ものすごい物を誕生日に贈ってくれたものですね〜。
それから、元の部屋に戻ってミカさんから箱庭について聞いて・・・
『それで、葵ちゃんはどうするの?』
「そうですねぇ・・・なんにしても、ここをこのままにしていくわけにはいきませんからぁ・・・」
『それについては、いくつか手を打ってあるよ。今度は本当に知り合いにあたって、後見人とか寄付とかを頼んである。信頼できる相手だ』
「・・・なら、最後に葵お姉さんからみんなへのプレゼントをしていくとしましょうか〜」
そう言ってから台所に立って・・・ケーキを、焼きます。
『何でケーキなんだい?』
「皆からずっと、ケーキを作ってほしいって言われてたんですよね〜。自信がなかったので作ってあげなかったんですけど・・・最後くらいは、と思いまして」
なんにしてもこんな力を持っているのではここに帰ってきて皆を傷つけないとは限りませんから・・・帰ってくるのは、難しいんですよね〜。
そして、たっくさんのケーキを何種類も作って、冷蔵庫にしまって・・・自分の部屋に、戻ります。
そこで制服に着替えて、そして、手紙を開きます。
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界のすべてを捨て、
我らの“箱庭”に来られたし』
何を言っているのか、全然分かりませんでした。
これ、やっぱり誰かのいたずらなんじゃ・・・そう思っていたら勝手に口が動いて、ぽつりと一言。
でも、次の瞬間には空中にいて・・・最初の印象は、大切ですよね〜。
すう、吐息を吸いこんで、悲鳴をあげましたぁ。
△▼△▼
「と、これが葵お姉さんが元の世界であった、一番の非日常ですかね〜」
「うん、その話にもアタシたちは驚いてるんだけど・・・」
「何より驚きなのは
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ