そう……巨龍召喚 後半
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、君の封印は解けないから」
「今すぐにこれを訂正してください。じゃないと・・・あなたを、許せなくなります」
「それで、いいんだよ」
その瞬間、あたしはミカさんを殴り飛ばした。
ミカさんが壁に打ち付けられて血を吐くのを見て、再び。
「もう一度言います。訂正しろ」
「ううん・・・訂正しない。これで、あってるはずだから」
そう言いながら放たれたものを、脚で蹴り砕く。
「今のは・・・」
驚いているミカさんを蹴りあげて、落ちてきたと声炉を再び蹴り飛ばす。
壁に打ち付けられたところに追い打ちをかけて、ミシリ、と音がしたところで手を止めます。
「ははは・・・天使の骨を折るって、どれだけ・・・」
「・・・お願いですから、早く訂正してください・・・お願い、ですから」
目の前で、ミカさんが息をのむ気配が伝わってきました。
「葵ちゃん、泣いて・・・」
「・・・あなたは、あたしたちを助けてくれました。・・・これ以上、傷つけたくありません」
誰も、傷つけたくないとは言わない。それでも、大切な人たちは傷つけたくない。
家族同然の施設の子供たち、学校の友達、ミカさん。こんなあたしにも親しくしてくれる人たちを。
「・・・ごめんね、葵ちゃん。それでも・・・やめれないんだ」
そう言いながらまた撃たれたので、あたしは両手でそれを掴んで投げ飛ばす。
その間に離れていたミカさんは、もう戦えそうには見えません。
それでも、まだやる気のよう。
「・・・あいつは、君に優しさを植え付けた。・・・だから、人を傷つけかねないギフトを君自身の意思で封印したんだ。中々に巧妙なものだね、本当に」
「・・・・・・」
「だけど・・・君は優しすぎる。少し、それを失ってもらうよ」
そう言ったふしから・・・ミカさんの体は、どんどん崩れていく。
「な・・・ミカさん、」
「うん、このままいけば僕は死ぬだろうね。この体、もう限界だし・・・魂になっても、少しは動けるからいいんだけど」
そう言いながら体が崩れていき・・・おそらく、魂も摩耗している。
「さあ、封印を解いて僕を消し去るんだ!魂になれば、僕は消えるついでに彼らを簡単に連れていける。それでもいいのかい!?」
つまり・・・ミカさんだけじゃなく、皆も・・・
それだけは、だめだ。
こんな化け物にも、親しくしてくれる人がいる。
そんな人たちが、あたしのせいで死ぬ。それは、だめだ。
なら・・・解決策は、一つだけ。
「・・・簡単なこと・・・しゃらくさい、ですね」
そう・・・ミカさんが言う、ギフトと言うものさえ使えるようになればいい。
「・・・うん、それでいいんだよ」
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