第十二話 光の符号その十一
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薊は見逃さなかった、それでにやりと笑って言った。
「やっぱりな」
「くっ、まさか貴様」
「あんたサボテンだからな」
そこから気付いたことだ。
「植物ってのは火に弱いよな」
「おのれ・・・・・・」
「それで怖くない筈がないよな」
「そのことがわかっているからか」
「相手の弱点を衝くってのがな」
それがというのだ。
「闘いの基本だろ、戦術だな」
「それでか」
「ああ、こうしてな」
棒に炎を宿らせて突きを仕掛けるというのだ。
「仕掛けてるんだよ」
「やってくれるな、だが」
怪人もだ、確かに炎は恐ろしいが。
それでもだった、その手にだ。
棍棒を出した、サボテンのそれをだ。右手に持っているそれで薊を殴ってそれで倒そうとする。しかしその棍棒を。
薊は己の左に来たそれを屈んできました、それから。
その腹にだ、炎を込めた棒を。
突き入れた、これで怪人の動きを泊めてだった。
さに一撃だった、今度は左脚でやはり腹に突きを入れて。
そうしてだ、炎を宿らせた棒をだった。
怪人に対して次々に突き入れた、それはまさに連打だった。
その連打の後でだ、止めに。
棒を右手に持ってだ、炎を宿らせたそれを。
思いきり上から下に振ってだ、怪人を叩いてだった。
止めとした、すると。
怪人の背に赤で符号が出た、薊の星の符号が。それが何よりの証だった。
怪人は敗れた、薊もその符号を見て会心の笑みを浮かべた。
「あたしの勝ちだね」
「くっ、やってくれたな」
「あの爆弾受けたらまずかったけれどね」
「間合いに入ればか」
「勝てると思ってたよ」
これが薊の読みだったがその通りになったというのだ。
「実際にそうだったな」
「確かにな。俺は炎に弱く」
「接近戦は苦手だったよな」
「そうだ、そしてだ」
「その結果だね」
「貴様は勝った」
怪人の弱点を衝いてその結果、というのだ。
「見事だと言っておこう」
「それは何よりだね」
「しかしだ」
それでもだとだ、怪人は死にゆく中で自分に勝った薊に言った。
「俺は死ぬが」
「まだ出て来るっていうんだね」
「貴様等は俺の同族達が倒す」
「何であんた達に狙われるかわからないんだけれどね」
「それは俺も知らない」
襲う方も、というのだ。
「しかしだ」
「それでもだってんだね」
「貴様等は何時か敗れる」
そうなるというのだ。
「このことは言っておく」
「その言葉は頭に入れておかないけれどな」
「そうか、それならいいが」
「それじゃあだね」
「俺はこれで消える」
見れば身体のあちこちが次第に砂の様に崩れていっていた。死が間近なのは誰の目にも明らかだった。
「もう話すことはない」
「さよならだな」
「精々
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