拠点フェイズ 4
拠点フェイズ 一刀 張飛 孔明 曹操
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俺や朱里、雛里の専属文官として秘書のような立場になっている。
様々な案件で持ち込まれる竹簡を、俺・朱里・雛里とそれぞれ分別して捌く手腕は確かなものだ。
正直、彼がいないと効率がかなり落ちる……そう考えると結構な負担だ。
もう一人ぐらい専属に誰かつけたほうがいいかもしれない。
「盾二様。新しい開墾地の去年の作付け総高がでました。予想より三割増しです」
「そうか。余剰分は新規開拓地の種付け分として保管してあるな?」
「はい。新しい北部開墾地に回してあります。十分な量を確保出来ました」
「畜産物のほうはどうだ?」
「鶏、豚ともに順調です。ただ、牛に関しては……しばらく州の管理が必要かと」
まあこの時代、牛の管理は邑単位で行われるほど希少だった。
個人で持つには、餌の手当ができないからだ。
「牛は乳牛と食肉用に別箇管理させるように。食肉用は、管理書を徹底させろ」
「はい。盾二様の管理書は、各農邑に徹底させるように通知してあります。また、臨時に警邏隊にその見廻りも指示しています」
管理書……まあ、マニュアルなんだが。
健康面のことや、食べられる場所だの保存法だのを記憶の限り書きだした上で、牛を育てる邑で実際に調査した内容をまとめたものだ。
未来の管理には到底及ばないが……それでもできるだけ安全面に考慮して作成してある。
「あとは……ああ、そういえば水田の苗床はどうだ?」
「苗床は、以前からある邑の老人たちが難色を示しましたが……新規の開墾地では順調に行ったそうです。今年は昨年の倍以上の苗が育ちました。直接種籾から蒔くやり方に比べ、この方法なら大量生産が可能でした! さすがです!」
「俺の手柄じゃないよ。全部先人たちの知恵さ」
アーカムの教育には、本当に頭が下がる。
まさか農業や酪農のバイトがこうも役立つとはな。
元は体力訓練やサバイバル用に、一通りこなした訓練の一環だったんだが……
どこで何が役立つのかわからないともいえるが。
「物価の方はどうだ?」
「はい。作物が供給されたことで、異常に高かった値がかなり落ち着いてきました。最近では物々交換より金銭取引が増えています。漢の中央が落ち着いたことと、梁州の信用が増してきたことが要因と思われます」
「いいことだが……今度は過剰供給を気にしなきゃいけないな。物価の安定は税収の安定につながる。過剰分は兵の糧食として買い上げ、不足分は糧食から放出できるように逐次備蓄と安定供給を心がけてくれ」
「はい。糧食の方は雛里ちゃんと相談して随時、でよろしいですか」
「ああ、まかせる」
「はい、ありがとうございます!」
糧食は基本、玄米や粟稗といった常温でも問題なく保存できるものだ。
粥や茶にできる大麦はともか
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