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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン8 ノース校と選ばれし戦士(前)
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。直接言う気になれず、無言で客席を指さす。確かそこには、白服の本校生徒たちのど真ん中で観戦用の椅子を3人分ぐらい占領し、さらにその上にふかっふかのでっかい座布団を敷いて高級ソファーみたいにした上でふんぞり返る万丈目がいたはずだ。見てるうちに馬鹿らしくなってくるからなるべくそっちの方は向かないように気を付けてたけど。
 その方向を見た鎧田も、ああ、という表情になった。万丈目、あっちでも似たようなことしてたのね。

「まあ、元気そうならそれでいいさ。ところでよ、その、言いにくいんだが………」
「何?」

 何かを言おうかどうか迷っている、といった様子の鎧田。何が言いたいのかはわからないけど、これからデュエルしようって時に余計なこと考えて集中が鈍ったままにしておくのはフェアじゃないだろう。別にフェアプレイに拘るわけでもないけど、わざわざこっちまで来たってことは僕にできるようなことなんだろう。

「その、ゲイル、あっただろ。去年お前にやった。あれ、今も持ってるか?」
「まあね。これ?」

 デッキを取り出してひっくり返し………ああ、薄々わかっちゃいたけどまーたデッキボトムだ。ゲイルのカードを取って、鎧田に見せる。しばらく彼はそのカードを見ていたが、やがてなんでもない、と言って元の場所に戻っていった。なんだったんだ一体。よくわからないままに、クロノス先生のアナウンスが始まった。

「あー、あー、ただいまマイクのテスト中ですーノ」
「何をバカなことしてるんでアールか、クロノス臨時校長」
「臨時はよけいなノーネ、ナポレオン教頭。失礼、お見苦しいところを見せてしまったノーネ。それはさておき、今年もノース校対本校の対抗試合を行いますノーネ。昨年は本校側が3対2で勝利を収めましたが、果たして今年はどうなるのか。それでは両校、先鋒の人を出してくだサイ」
「それじゃあ先輩方、行ってくるドン!」

 僕が先鋒に選んだのは、剣山。今年入学してきた関係上相手からすれば未知の人間である剣山に対してメタを張ることは不可能なはずだし、彼の物怖じしない性格ならば緊張のあまり実力が発揮できないなんてことはないだろうと踏んでの人選だ。おそらく相手は去年と同じサンダー四天王で1を担当する飯田だろうし、剣山の恐竜デッキのパワーなら十分押し切れる相手だろ………

「ファースト・バトルは任せたぞ、和田!」

 あれ?

「ふん、わかった。この和田が、ノース校のために初戦を制してくる」
「いや誰だお前」

 思わず素で突っ込んでいるうちに、両者が向かい合う。一人で考えていてもらちが明かないので、軽く手招きして鎧田をもう一回呼び寄せる。

「「デュエル!!」」

「先行は俺がもらうドン、暗黒(ブラック)ステゴを召喚!さらにフィールド魔法、ジュラシッ
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