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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン8 ノース校と選ばれし戦士(前)
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 その遠ざかっていく背中に、思わず声を上げる。

「ま、万丈目!」
「万丈目ホワイトサンダー、だ。一体何の用だ」

 声をかけはしたが、何か言おうと明確に思ったわけではない。結局何も言えないうちに、変な奴だと肩をすくめて万丈目と三沢は行ってしまった。




 それから後のことは、かなり忙しかったのであまり記憶に残ってない。お菓子だけ作っといて肝心の売り手が2人ともメンバー入りしていたことをギリギリになって思い出して大急ぎで無人販売所のようなものを作ったり、ついでに朝ご飯を食べてなかったので一緒に作った観戦客用の弁当セットを1つちょろまかして味見がてら食べてみたり、そんなことしてたらいつの間にかノース校からの船が来ていてその対応に港まで繰り出したりと、とにかくいろんなことをしたことは覚えている。

「おはよう、清明。頑張ろうね、だってさ」
「もちろん。今日も頼むよ、夢想」
「おはようだドン、清明さん。こんなイベントに新参者の俺を選んでくれて、改めて感謝ザウルス」
「いや、別にそんな」
「あー!一体今までどこにいたんスか清明君!おかげで朝ご飯食べられなかったんスよ!」
「いや、自分で何か作ろうよ。じゃあウチの観戦用弁当1つ譲ったげるからそれ食べてて」
「………ああ、おはようございます先輩」
「うん、おはよー葵ちゃん」

 やっと準備を終わらせ、なんとか時間ギリギリにデュエル場へたどり着く。先に来ていた皆に声をかけられたりやったーと言いながら無人販売所に行った翔を見送ったりしているうちに、向こう側からも誰かがやって来た。はて誰だろうと見ているうちに、ずんずんこっちに迫ってくる。照明が逆光になってる関係でなかなか顔が見えなかったが、向こうから声をかけてくるころにはそれが誰だかわかった。

「おーい、遊野清明!」
「あ………あーっ!鎧田!!」

 サンダー四天王と名乗るノース校最強の4人衆。その中でもトップの実力を誇り、UF………アンデッドフェザーと自称するアンデッドワールド入りのBF(ブラックフェザー)を操る男、鎧田。ちょうど今朝見ていたゲイルのカードをくれたあの鎧田だ。電話ではあれから連絡を取ったこともあったけど、直接会うのはほぼ1年ぶり。だけど、どうやらあっちはその時からそんなに変わってなさそうだ。特に白くない制服を見る限りサンダー四天王はまだ光の結社に入ってないみたいだし。一緒に来たノース校の皆さん方はもう9割がた白くなってたけど。

「よう、元気にしてたか?」
「んー、まあね。そっちはどう?」
「俺か?俺もまあ、ノース校で頑張ってるぜ。ところで、サンダーは?サンダーはどこにいるんだ?」

 おっと。この質問もいつかは聞かれると思ってある程度の覚悟はしてたけど、さっそく聞きに来ますか鎧田さん
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