ターン8 ノース校と選ばれし戦士(前)
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「うーん」
いよいよ、今日はノース校との決戦の日。いつもよりちょっぴり早起きしてデッキの最終確認中、ふと思いついたことがあった。
「シャッフルして、カットして…………上から5枚引いて……」
ちなみに今引いたのはシャクトパス、ツーヘッド・シャーク、氷弾使いレイス、アクア・ジェット、リビングデッドの呼び声。まあそれはいいとして、そのままデッキをクルリと裏返す。1枚、2枚、3枚と順番に見てみると、案の定そのカードはデッキの下の方にあった。
『さっきから何をしているんだ?』
「あ、チャクチャルさん。ちょうどよかった、ちょっとこれシャッフルしてみてくれる?」
後ろから声をかけられたので、デッキを掴んでひょいっと後ろに投げ渡す。床にぶちまけた音がしないところをみると、うまいことキャッチしてくれたらしい。それにしても、今のチャクチャルさんの声の調子は何か引っかかるものを感じるような気がした。僕の気のせいだろうか。きっと、なんだかんだで僕も緊張してるんだろう。
『……ふむ。こんなところでいいか?』
「センキュー。これをひっくり返して………うーん、チャクチャルさんでもダメか」
デッキボトムに来ていたカードを確認し、ちょっとため息を吐く。ここまで来ると、もう偶然じゃあ済まないだろう。
『このカードが何か?』
それは、BF−疾風のゲイル。1ターンに1度相手モンスター1体の攻守をノーコストかつ永続的に半減させることができる大変恐ろしい効果を持ったカードであり、去年のノース校対決の時に向こう側の副将、鎧田から色々あって貰うことになったものだ。なったものなのだがこのカード、性能とは全く関係ない点で1つ大きな弱点がある。
「このカード、とにかく手札に来てくれないんだよね」
なにせ、これをデッキに入れてからもう1年近くたつのだ。いくら僕のデッキ枚数が規定ギリギリなうえにピン刺しのカードとはいえ、それだけの間ずっと同じデッキを使ってきているんだからもっとドローできなければおかしいというものだろう。実際、同じくピン刺しのハンマー・シャークやらシャクトパスやらはよく手札に来てくれる。なのに、このカードのドローに成功したのはこれまででたった1度だけ………廃寮の地下で大徳寺先生、本名アムナエルの錬金術デッキとデュエルした時の1回だけ。あれ以来デッキに入れ続けているのに、いまだにデッキ調整の最中にしか見たことがない。
「嫌われてんのかなあ」
『まあ、ありえない話ではないだろうな。それか、根本的にデッキに合わないのかもしれない』
「うーん」
じっとゲイルのカードを見つめる。一体このカード、僕にどうしてほしいんだろう。この子はもともと僕のカードじゃなかったせいか、どんなに
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