第五話 THE DAY OF ΣU
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!」
シグマを睨みつけるルインだが身体に違和感を感じた。
不快感と痛みが同時に身体を襲う。
ルイン「身体が……ま、まさか…!!?」
シグマ「そうだ。私のビームサーベルにウィルスを仕込んでおいたのだ。どのような頑強なレプリロイドであろうと簡単に停止するほどのな」
ルイン「くっ…シグマ…あなたは…」
シグマ「とはいえ、予想はしていたが、私はお前に驚愕している。ルイン、お前が機能停止せずにいられるはずがない程のウィルスを受けたというのに、お前は活動している。そのようなことはありえないというのに…」
ルイン「………」
シグマ「エックスとゼロもそうだが、私はお前にも興味がある…誰が開発したのかも分からない。内部機関にかけてはブラックボックスの塊。エックス以外のレプリロイドにあるはずのない…人間の“成長する”能力。どれをとっても、お前は従来のレプリロイドとはかけ離れている。ルイン、お前は一体何者なのだ?」
ルイン「え…?」
シグマ「……奇妙なことだ。経歴が分からないレプリロイドは数多く見てきたが、これほどまでにデータがないレプリロイドはいないだろう。お前の経歴を探しているうちにいくつかの重要なセキュリティを突破することになったが………驚いた、ルインというレプリロイドはどこにも存在しないということに」
ルイン「……っ!!」
ヒュ…と、音が鳴った。
シグマ「もう一度聞く。ルイン、お前は何者だ?」
ルイン「………」
シグマ「答えたくないのならば、エックスとゼロを破壊する。それでも答えたくないのならば電子頭脳を引きずり出し、お前のデータを見るだけだ」
冷徹な言葉にルインは唇を噛み締める。
ルインの前世の記憶は殆ど残っていない。
しかしこれだけは覚えていた。
エックスとゼロを守るために口を開いた。
ルイン「私は……私は…かつて…人間でした…」
シグマ「人間…だと?」
ある程度の予想はしていたが、ルインが人間であったというのは予想外だったらしい。
ルイン「昔、私に何かあったのかは殆ど思い出せない…でも、かつての私は確かに人間でした…人間としての肉体を無くして今ここに…」
シグマはあまりに荒唐無稽な言葉に虚偽ではないかと疑ったが、同時に納得もした。
ルインはレプリロイドよりも人間に近い。
それどころか人間そのものだ。
思考も行動パターンも。
もしルインが元人間ならばと考えれば、すんなりと納得できた。
シグマ「つまりお前は真の意味で人間の心と機械の身体が1つとなった存在ということか…お前が元人間とはさしもの私も驚いたぞルイン。」
ルイン「………」
唇を噛み締め、俯くルインに興味を無くしたかのようにシグマはこの場を去ろうとする。
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