第五話 THE DAY OF ΣU
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エックス達とは別行動をし、ハッキングデータを持って逃走中の犯人を追うルインは朱色のチェバルに乗りながら街を駆け抜ける。
ルイン「…………さて、犯人は一体何をしようとしているのかな…?」
日に日に前世の記憶が薄れてきているルインにはもうこれから先に起こる出来事を殆ど思い出せない。
ルイン「こういうどさくさ紛れにやれることは多いけど…」
誘拐、暗殺、機密奪取、侵入及び潜入、密入国etc.…。
歴史を紐解くまでもなく、混乱に乗じて己の利を貪る者は後を絶たない。
ルイン「他の隊との連絡が取れないのも気になるね。問題は犯人がここまでして狙うものが何なのか…」
その時シグマから通信が入る。
シグマ『ルイン。』
ルイン「あ……シグマ隊長。申し訳ありません。犯人の行方は依然として…」
シグマ『いや、そうではない。お前と個人的な話がしたい』
ルイン「?…はい」
ルインは道端にチェバルを停車させるとシグマとの通信を再開する。
シグマ『ルイン、お前はイレギュラーをどのように思っている?』
ルイン「え?」
シグマ『上層部の人間はロボット三原則を取り戻そうと躍起になっていることを知っているな?“レプリロイドは人間に奉仕するべき”だと』
ルイン「は、はい。それは知っていますが…」
レプリロイドは人間に奉仕し続けるべきだと言う者も少なくはない。
それを聞いたゼロとVAVAは呆れ、エックスは悲しげにしていた。
シグマ『ケイン博士はレプリロイドには可能性があると言っていた。それが何なのか…。人間と似た思考回路を持つお前なら分かるかもしれないと思ってな』
ルイン「…ケイン博士のその話なら私も聞いたことがあります。イレギュラーを含めてその可能性を考えるなら……イレギュラーの方に可能性があるのでは?」
シグマ『ほう?』
ルイン「レプリロイドのイレギュラー化は電子頭脳の故障、プログラムのエラー、ウィルスなどがありますが、過度なストレスや不満がイレギュラー化の原因でもあります。人間で言う反抗期…ですかね?人間の成長の過程に必要なもの…イレギュラー化はそれに似たようなものでは?…と、イレギュラーハンターの私が言うような言葉じゃないですね」
シグマ『いや、大丈夫だ。参考になった。引き続き調査を続行してくれ』
ルイン「了解」
シグマとの通信を切り、再びチェバルに乗り、調査を続行する。
そして間もなくルインの元に本部のオペレーターから緊急通信が飛び込んできた。
『ルイン!!聞こえますか!!?こちらハンターベース!!』
ルイン「どうしたの!!?」
『留置されていた元イレギュラーハンターVAVAが脱走しました!!』
ルイン「VAVAが!!?」
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