暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
26弾 ミッションコンプリート
[1/10]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
やられたッ!
1階のバーで理子と会う前から既に、俺は理子がこの飛行機を操作しているだろうことを予想していて、それをあのバーで確認した。
だから俺はアリアに指示し、コントローラーを弾かせたんだが……
まさか、2個目があるとは思わなかった。
ANA600便は、台風の雲の中を、恐るべき勢いで降下している。
乗客達の悲鳴を聞きながら廊下を走り、階段を降りると――――
理子はバーの片隅で、窓に背中をつけるようにして立っていた。
「この狭い飛行機の中――――どこへ行こうってんだ、親友」
さっきの理子のセリフを少し変えて返してやりながら、俺はガバメントを向ける。
「くふっ。ミズキ。それ以上は近づかない方がいいよー?」
にい、と理子が白い歯を見せて笑う。
窓際には理子を取り巻くようにして、丸く輪のように粘土状のもの――――十中八九、爆弾――――が張り付けられてあった。
「ご存じの通り、『
武偵殺し
(
ワタクシ
)
』は爆弾使いですから」
俺が歩みを止めたのを見て、理子はスカートをちょこんとつまんで少しだけ持ち上げ、慇懃無礼にお辞儀してきた。
「ねえミズキ。この世の天国――――イ・ウーに来ない?1人ぐらいならタンデムできるし、連れて行ってあげられるから。あのね、イ・ウーには――――」
理子はその目つきを鋭くしながら、
「お兄さんも、いるよ?」
理子のその言葉はある程度、予想は出来ていた。
俺はその言葉用にしておいた返答を紡ぐ。
「お断りだ。高2にもなって家族と暮らすとか、御免こうむるね。それに、武偵校に文を待たせてるんだ。俺はあの場所に帰る」
「そっか……じゃあ仕方ない。今回のところは諦めるよ」
理子は少しがっかりしたような態度を取りつつも、すぐに切り替えて一言。
「ああ、そうそう。あたし、ミズキに謝らなきゃいけないことがあったんだった」
「謝らなきゃいけないこと?」
何だ?心当たりが大量すぎてどれか分からないぞ?
俺が記憶を漁って検索しているのはスルーで、理子はウインクしたかと思うと、両腕で自分を抱き締めるような姿勢を取り――――
「あたし、本当は知ってるんだ。ミズキの名前のこと。たぶん、ミズキ以上に」
「……は?」
その言葉はさすがに予想外過ぎて一瞬、俺の動きが停止する。
そしてそのタイミングを見計らったように――――
ドウッッッッ!!!
いきなり、背後に仕掛けていた炸薬を爆発させた。
「――――!」
壁に、丸く穴が開く。
理子はその穴から機外に飛び出ていった。パラシュートも無しで――――!
「りっ……」
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ