暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
26弾 ミッションコンプリート
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 やられたッ!

 1階のバーで理子と会う前から既に、俺は理子がこの飛行機を操作しているだろうことを予想していて、それをあのバーで確認した。

 だから俺はアリアに指示し、コントローラーを弾かせたんだが……

 まさか、2個目があるとは思わなかった。

 ANA600便は、台風の雲の中を、恐るべき勢いで降下している。

 乗客達の悲鳴を聞きながら廊下を走り、階段を降りると――――

 理子はバーの片隅で、窓に背中をつけるようにして立っていた。

「この狭い飛行機の中――――どこへ行こうってんだ、親友」

 さっきの理子のセリフを少し変えて返してやりながら、俺はガバメントを向ける。

「くふっ。ミズキ。それ以上は近づかない方がいいよー?」

 にい、と理子が白い歯を見せて笑う。

 窓際には理子を取り巻くようにして、丸く輪のように粘土状のもの――――十中八九、爆弾――――が張り付けられてあった。

「ご存じの通り、『武偵殺し(ワタクシ)』は爆弾使いですから」

 俺が歩みを止めたのを見て、理子はスカートをちょこんとつまんで少しだけ持ち上げ、慇懃無礼にお辞儀してきた。

「ねえミズキ。この世の天国――――イ・ウーに来ない?1人ぐらいならタンデムできるし、連れて行ってあげられるから。あのね、イ・ウーには――――」

 理子はその目つきを鋭くしながら、

「お兄さんも、いるよ?」

 理子のその言葉はある程度、予想は出来ていた。

 俺はその言葉用にしておいた返答を紡ぐ。

「お断りだ。高2にもなって家族と暮らすとか、御免こうむるね。それに、武偵校に文を待たせてるんだ。俺はあの場所に帰る」

「そっか……じゃあ仕方ない。今回のところは諦めるよ」

 理子は少しがっかりしたような態度を取りつつも、すぐに切り替えて一言。

「ああ、そうそう。あたし、ミズキに謝らなきゃいけないことがあったんだった」

「謝らなきゃいけないこと?」

 何だ?心当たりが大量すぎてどれか分からないぞ?

 俺が記憶を漁って検索しているのはスルーで、理子はウインクしたかと思うと、両腕で自分を抱き締めるような姿勢を取り――――

「あたし、本当は知ってるんだ。ミズキの名前のこと。たぶん、ミズキ以上に」

「……は?」

 その言葉はさすがに予想外過ぎて一瞬、俺の動きが停止する。

 そしてそのタイミングを見計らったように――――



  ドウッッッッ!!!



 いきなり、背後に仕掛けていた炸薬を爆発させた。

「――――!」

 壁に、丸く穴が開く。

 理子はその穴から機外に飛び出ていった。パラシュートも無しで――――!

「りっ……」

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