暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
26弾 ミッションコンプリート
[2/10]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
理子!と叫ぼうとしたが、できない。
室内の空気が一気に引きづり出されるようにして、窓に向かって吹き荒れる。
機内に警報が鳴り響き、天井から酸素マスクが雪崩のように飛び出した。
バーにあった諸々の物が、窓の穴から吸い出されていく。
紙や布。グラスや酒のビン。そして――――俺も――――
「――――!」
床に据えられたスツールにしがみつくと、天井からは自動的に消火剤とシリコンのシートがばれまかれてきた。トリモチのようなそのシートは空中でべたべたとお互い引っ付き合い、理子が開けた穴に蜘蛛の巣を張るようにして詰まっていく。
穴が塞がると、いきなり俺の白衣の中に付けてあった小型マイク――――おそらく戦っている時に理子に付けられたもの――――から声がした。
『じゃあしばらくお別れだね。神崎・H・アリアによろしく伝えといて。それじゃ、バイバイ。神代ミズキ』
「!?」
さっきのセリフは、隙を作るための嘘じゃなかったわけか。
『神代』。それが俺の旧姓だ。
俺が遠山家に引き取られたのは随分昔のことで、俺も小さかったから前の家のことはよく覚えてないし、引き取ってくれた
義父
(
とう
)
さんや、
義祖父
(
じい
)
ちゃん
義祖母
(
ばあ
)
ちゃんも何も教えてくれないから知らないんだが……
俺の家が火事になってその時に両親と……妹が死んだことと、この『神代』の名前だけは知っていた。
『神代』を知っていたことについては特段不思議なわけじゃないんだが……さっきの発言の後半。俺以上に『神代』のことを知っている?
俺だって、『神代』については色々調べた。時には自分で、時にはミラの力を借りて。だがあの『人類最優』の力を借りても、わかったのは火事のことだけだった。
それなのに、理子はそれ以上のことを知っているという。おそらくは理子が所属している組織――――イ・ウー関係だろう。
アリアと共にイ・ウーと戦っていれば、『神代』の情報が入るかもしれない。
これ以上は長くなりそうだったので俺は急いで思考をせき止め、手近な窓から外を見た。
僅かな月明かりの差す、そこには――――
くるくるくるっ、と宙を踊るようにして遠ざかる理子が見えた。
ばっ。
理子が背中のリボンを解くと、あのやたらと布量の多いスカートとブラウスが不格好なパラシュートになっていくのが見える。
最後に見えたのは、下着姿になった理子がこっちに手を振りながら雲間に消えていく姿だった。なるほど。機外に脱出するつもりだったから、高度をこんなに下げていたわけか。
「――――!?」
その、理子と入れ違いに――――
この飛行機めがけて、雲間から冗談みたいな速度で飛来する2つ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ