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魔法少女まどか☆マギカ 〜If it were not for QB〜
碌話 甘言
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に触れる。その温度差にさやかは身震いした。こんな彼をさやかは知らない。
「大丈夫、力抜いて……ま、力なんて入らないだろうけど。さっき飲んだジュースに睡眠薬と弛緩剤、感覚を鋭敏にする薬を入れといたから」
唇が重なる。それすらこれから始まる、死ぬよりも辛い惨劇の序章である事は明白であった。さやかは何も出来ずに涙を流す。それを彼は舌で掬う。
「嫌ぁ……いやぁあぁああああああぁあああああっ!!!!!!!!!」
「私……犯されちゃった……もう、やだ……」
「さやかちゃん……」
途切れ途切れに話してくれた内容から、まどかはさやかがどんな目に遭ったか容易に想像が出来た。夜の静寂が、特に寒くも無いのに二人の体温を奪う。
「明日になったら仁美が恭介に告白しちゃう……仁美に恭介取られちゃうよ……」
「さやかちゃん……」
「わたし、何にも出来ない……こんな身体で抱きしめてなんて言えない、愛してなんて言えない、キスしてなんて言えないよぉ……っ!!!!!!」
少女の悲痛な叫びは闇夜の一滴となってこぼれる。まどかは心に暗い影が落ちるのを必死で堪えた。それは魔法少女となったさやかが口にしていた言葉と全く同じ。
魔法少女で無い、普通の人間であるさやかなら恭介に告白できるはずだったのに、それすらもこの世界は許さないと言うのか。
「まどか……まどかぁあぁあああああああ!!!!!!!!!」
まどかは何も出来なかった。一つ前の世界の、ほむらに庇護され何も出来ずにいた無力な自分と同じで。所詮自分は弱い人間なのだと、誰かを救う事など出来ないのだと言う事を痛感した。
思えば、最初の世界。ほむらを助けられたのは自分が魔法少女だったから。彼女が最初の自分に恩を感じて魔法少女になり、途方も無い回数同じ時間を繰り返しただけの話だ。鹿目まどかと言う人間は所詮何も出来ない人間なのだ。
「稼いだ金はきっちり貢がせないと。女ってバカだからさぁ……」
「犬か何かだと思って躾けないと駄目っすよね〜」
「捨てる時がホントウザイんだよな〜……」
「ねぇ」
さやかは家に帰らなかった。あても無く電車に乗り、乗り合わせた二人のスーツ姿の男の前に立つ。
「その女の人の話、もっと聞かせてよ」
「何コイツ、知り合い……?」
「お嬢ちゃん、中学生でしょ? 夜更かしは良くな……」
「その女の人、あんたの事が大事だったんでしょ? よろこばせたくて頑張ってたんでしょ? 犬と同じなの? ありがとうも言えないの? 役に立たなきゃ捨てちゃうの!?」
「お嬢ちゃん、言ったでしょ、夜更かしは良くないってさぁ……っ!!!!」
停車と共にドアが開き、さやかは突き飛ばされる。辺境の駅。糞尿の臭
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