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魔法少女まどか☆マギカ 〜If it were not for QB〜
碌話 甘言
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外部の人間であるあの人になら話せる気がしたのだ。


 「此処が……結構いいとこ住んでんだな。俺の貧乏アパートとは大違いだ」
 「ま、女の子の部屋らしく結構かたづいてるんだから。ささ、上がって上がって」

 彼を上げると、さやかは適当にあったお菓子を取って来た。彼もテーブルの前に座り500mlのペットボトルを二本取り出し片方をさやかに差し出した。

 「さやかの両親って、音楽関係の仕事してんだよな?」
 「ああ、うん。お母さんは出張だし、お手伝いさんは夕飯の仕込みしたら昼で帰っちゃうし。あ、その関係でうちに金目の物なんて無いから、泥棒とか無駄だよ?」
 「するか。幾らお前が金持ちでも、そこまで金に困ってないっての」

 二人はあははと笑い、さやかはペットボトルのふたを開ける。意識しないで開けたのだが、その蓋は緩かった。まるで一度空いていたかのように。

 「ゴクゴクゴク……ん、やっぱり暑い日は冷たいもんだよね〜」
 「……それで、悩みって?」
 「あ、うん……実はね、友達が恭介の事好きだって。だけど私に抜け駆けしたくないからって一日待つって言われたんだ」
 「それで、どっちも選べずにってわけか……さやからしくない」
 「そう、かな……」

 自分らしさなど考えた事も無かった。中学生なら当然かもしれないが、特にそんな事を意識する事に意味はなかったし、友達とそう言う話をした事も無かった。

 「ちなみに、恭介はお前とその友達、どっちの方が好きなんだろうな」
 「う〜ん……あいつが入院してから、仁美もちょくちょくお見舞いくらい行ってるはずだから、会う回数って点ではそんなに変わらないと思うんだけど」
 「分からない、って事か……ま、さやかの事は嫌いじゃないんだろ?」
 「そうだって信じたいけどさ……」
 「ん、どうした?」

 なんだろう、視界がぼやける。頭が重い、どろりとした蜜が頭の中を埋め尽くすような感触にさやかは襲われる。

 「何か、ちょっと眠くなって……」
 「そっか……おやすみ、さやか」
 「えっ……」

 落ちて行く。それはもうどうにもならない事だった。


 「え……嘘……何で、何でよぉ!!!!!!??」

 さやかは上半身を椅子に固定され、あられもない姿のまま下半身を縛られていた。

 「にっ、兄さんっ……何で、どうしてこんな事するの!?」
 「知らなかったか? ……ずっとこうするつもりだったよ。こうする為にずっと準備して来た。お前言っただろ、今日は誰もいないって。だからお前に持って来たジュースに色々薬を混ぜておいた」

 全く気が付かなかった。何気なく開けたペットボトルの蓋が軽かったのは既に一度開いていたからだったのだ。

 彼の冷たい手がさやかの温かい頬
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