暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女まどか☆マギカ 〜If it were not for QB〜
碌話 甘言
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
繰り返しただけの話だ。鹿目まどかと言う人間は所詮何も出来ない人間なのだ。


 「稼いだ金はきっちり貢がせないと。女ってバカだからさぁ……」
 「犬か何かだと思って躾けないと駄目っすよね〜」
 「捨てる時がホントウザイんだよな〜……」
 「ねぇ」

 さやかは家に帰らなかった。あても無く電車に乗り、乗り合わせた二人のスーツ姿の男の前に立つ。

 「その女の人の話、もっと聞かせてよ」
 「何コイツ、知り合い……?」
 「お嬢ちゃん、中学生でしょ? 夜更かしは良くな……」
 「その女の人、あんたの事が大事だったんでしょ? よろこばせたくて頑張ってたんでしょ? 犬と同じなの? ありがとうも言えないの? 役に立たなきゃ捨てちゃうの!?」
 「お嬢ちゃん、言ったでしょ、夜更かしは良くないってさぁ……っ!!!!」

 停車と共にドアが開き、さやかは突き飛ばされる。辺境の駅。糞尿の臭いが立ち込める治安の悪い場所。お似合いのシチュエーションだ、さやかは打ちつけた頭をさすりながら笑った。

 「ねえ、この世界って何なの? こんな酷い目に遭ってまで、石にかじりつきながら生きて行かなきゃいけないもんなの? ねえ、教えてよ……今すぐ教えなさいよ!!」
 「教えてやるさ……直接、お前の身体にな」

 上着をめくられスカートを引きちぎられる。だがそれでも良かった。今更一人が三人になった所で、穢された事実は変わらない。どうせなら完膚なきまで穢れてしまおうじゃないか。

 戦う力を持たない彼女は、一般人に刃を向ける事は出来なかった。それを幸福な事だと偽善者は言う。現実はこうだ。逃げる強靭な足を持たない兎はただ狩られるしかないように。


 翌朝、保護された彼女は目の色に光が無く、ただがくがくと震え誰の声も聞こえず何も見えていなかった。

 「……私、ずっと前から上条恭介くんの事をお慕いしてましたのよ」

 まどかが世界の現実を突き付けられた日の放課後、さやかは仁美に呼び出されて近所の喫茶店に来ていた。上品な風格の店で、さやかは全身がこそばゆかった。何と自分に場違いな事か、入店時は笑ってしまったものだったが。

 あまりに唐突で、ハンマーで頭を殴られるような衝撃。唐突過ぎて、口から出て来たのは笑い声。

 「……そ、そーなんだぁ! あはは、恭介のヤツも隅に置けないn」
 「さやかさん、上条くんとは幼馴染でしたわね?」
 「ん〜、まぁ腐れ縁って言うか、何と言うか……」

 「本当にそれだけ?」

 こんな表情をする仁美をさやかは知らない。おっとりとした普段の柔和な表情とも違うし怒った様子も無く、何だか妙な違和感を感じる。

 「私、もう自分に嘘はつかないって決めたんですの……貴方はどうですか?」
 「どうって
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ