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魔法少女まどか☆マギカ 〜If it were not for QB〜
碌話 甘言
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だ。クラシックはさやかには分からないので、良き相談相手となっている。

 「ん〜、その恭介って奴が好きそうなCDは来週入る予定なんだけど、さやかが欲しいなら取っとくよ」
 「助かりますっ。てか兄さんいつもあの店でバイトして、学校はどうしてんの?」
 「別に、この時間は授業入れてないだけだよ。と言うかさやか……何か悩みでもあるのか?」

 この人は鋭い。しっかりハンカチで拭った瞳の奥を見抜いてくる。この人に隠し事は出来ないな。

 「……悩み事あるなら聞くけど」
 「……うち、今日は誰もいないんだ。多分兄さん一人くらい上げても大丈夫だよ。ただ……ちょっと今汗かいてるから、シャワーくらい浴びさせて欲しいんだけど」
 「……分かった。何か持って行くから、どっかで待ち合わせるか」

 ジュースとお菓子でも持って行くよと約束し、彼はさやかと別れた。こんな悩み、クラスの誰にも言えなかったが外部の人間であるあの人になら話せる気がしたのだ。


 「此処が……結構いいとこ住んでんだな。俺の貧乏アパートとは大違いだ」
 「ま、女の子の部屋らしく結構かたづいてるんだから。ささ、上がって上がって」

 彼を上げると、さやかは適当にあったお菓子を取って来た。彼もテーブルの前に座り500mlのペットボトルを二本取り出し片方をさやかに差し出した。

 「さやかの両親って、音楽関係の仕事してんだよな?」
 「ああ、うん。お母さんは出張だし、お手伝いさんは夕飯の仕込みしたら昼で帰っちゃうし。あ、その関係でうちに金目の物なんて無いから、泥棒とか無駄だよ?」
 「するか。幾らお前が金持ちでも、そこまで金に困ってないっての」

 二人はあははと笑い、さやかはペットボトルのふたを開ける。意識しないで開けたのだが、その蓋は緩かった。まるで一度空いていたかのように。

 「ゴクゴクゴク……ん、やっぱり暑い日は冷たいもんだよね〜」
 「……それで、悩みって?」
 「あ、うん……実はね、友達が恭介の事好きだって。だけど私に抜け駆けしたくないからって一日待つって言われたんだ」
 「それで、どっちも選べずにってわけか……さやからしくない」
 「そう、かな……」

 自分らしさなど考えた事も無かった。中学生なら当然かもしれないが、特にそんな事を意識する事に意味はなかったし、友達とそう言う話をした事も無かった。

 「ちなみに、恭介はお前とその友達、どっちの方が好きなんだろうな」
 「う〜ん……あいつが入院してから、仁美もちょくちょくお見舞いくらい行ってるはずだから、会う回数って点ではそんなに変わらないと思うんだけど」
 「分からない、って事か……ま、さやかの事は嫌いじゃないんだろ?」
 「そうだって信じたいけどさ……」
 「ん、どうした
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