暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 赤眼の少年
下級悪魔
[1/2]

前書き [1] 最後 [2]次話
「ねえ? いつまでそうしているつもりだい? さっさと起きなよ? 下級」
「……………………………………………………」

 午前二時三十五分。
 駒王市のとある公園内では、この世のものとは思えない光景が広がっていた。

「…………まさかあんた、死んじゃったの?」
「…………………………」
「冗談だよね? 下級とはいえ、人外の悪魔様でしょ? ダルマになった程度でなに死んでんのさ? ねえ?」

 ブランコや滑り台等の遊具は赤く黒く汚れ、地面には赤色の水溜まりがいくつもできていた。その中でも一番大きい水溜まりの中に、それはいた。
 腕と足をもぎ取られ、まるでダルマのようになった全裸の男性と、そのもぎ取られた腕で、それを突っついている黒服の少年。この場所は本当に現世なのだろうか?

「……ん? あんた、今動いたでしょ?」
「…………………………」
「無視かい? なら、次は頭と心臓を同時に――――」
「っ!? まあ゛、まあ゛ってくれ!?」

 少年がそれの頭に手を置いた瞬間、それは突如として声を上げた。どうやら死んだ振りをしていたらしい。

「ふは! 死んだ振りゴッコは楽しかったかい? 下級悪魔さん?」
「た、頼む!! 見逃してくれ!! ま、まさかあんたが、これほどの奴とは思わなかったんだ!!」
「へぇえ。これほどの奴とは思わなかった……ねぇ」

 つまりそれは、それほどの奴ではなければ殺っていたということだ。命乞いの言葉にしてはあまりにもお粗末だ。

「頼む!! 俺も一週間前まではあんたと同じ人間だったんだ!」
「……………………へぇえ」

 その男の言葉に、少年の笑顔が一瞬陰る。だが、男はその一瞬を見逃さなかった。

「俺の名前は武宮信也(ぶみやしんや)! ほら、今ニュースで行方不明者として報道されてる本人だ!!」
「……それで?」
「それで……今から一週前の仕事帰りに、黒い羽を生やした変な男に…………そうだ! セイクリッドなんとかを宿したことを恨めとか言われて、そのあと急に腹が――」
「あぁ〜はいはい。つまり神器(セイクリッド・ギア)のせいで殺されたと? よくある話だねぇ」
「……マジで?」
「あぁ、ありきたり過ぎて反応に困るくらいだよ」

 少年の言葉に、大きな溜め息を吐いて脱力するダルマ男。なんともシュールな光景である。

「…………ところで、あんた痛くないのかい? それ」
「え? な、なにが?」
「だから、腕と足のところ」
「え? …………あ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!!!!!?!」
「あーあ、アドレナリンが切れたのかな?」

 本来ならば、地面をジタバタとのたうちまわるほどの激痛なのだが、この男は少年に四肢をもぎ取られているため、悲痛
前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ