暁 〜小説投稿サイト〜
特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第11話:おはなみに行こう!−2
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

朝食を終えると、なのはは花見に持っていく弁当の準備、ヴィヴィオは朝食の
後片付け、ゲオルグは花見に持っていくものの積み込みの続きと
それぞれがそれぞれの仕事を始めた。

弁当を作るなのはの隣で食器を洗うヴィヴィオ。
皿についた洗剤の泡をすすぎつつ、その目はなのはの手付きに注がれていた。
今は卵焼きを作っていて、同時に鶏肉にからあげの味付けをしている。

(上手だなぁ・・・ママ)

菜箸で卵をきれいに巻いていくなのはの手付きに見とれていた。

「ヴィヴィオ」

急に名を呼ばれハッとする。
目をあげるとなのはがシンクの方を指さしていた。
なのはが何を言いたいのか掴みかね、首を傾げる。

「もうすすぎ終わってるよ」

なのはの言葉にヴィヴィオは慌てて自分の手元を見る。
すすぎ中の皿はすっかり泡がなくなっていた。

「はわわ・・・ごめんなさい、ママ」

ヴィヴィオはあたふたと手に持っている皿を水切りかごに置き、
次の皿に手を伸ばす。

「なにをぼーっとしてたの?」

「ごめんなさい・・・」

なのはに問われ肩を落とすヴィヴィオ。
その様子を見ていたなのはは首を横に振る。

「別に怒ってるんじゃないの、ヴィヴィオ。
 ただ、どうしたのかなと思っただけなんだよ」

出来上がった卵焼きを大皿に移しながら、微笑を浮かべて言う。

「どうやったら、ママみたいにお料理がうまくなるのかなって・・・」

また1枚、皿のすすぎを終えて水切りかごに置きながらヴィヴィオは言う。
その声はだんだんと小さくなっていく。

「そっか・・・」

からあげをあげるために用意した油を張った鍋を火にかけながら、
なのはは嬉しそうに微笑むと、ヴィヴィオの頭に手を伸ばしてゆっくりとなでる。

「焦らなくても大丈夫だよ。 これからゆっくり教えてあげるからね」

「うん。 ありがと、ママ」

ヴィヴィオも柔らかな笑みを浮かべてなのはの身体に身を寄せた。

「おーい、全部積み終わったぞ」

そこに、ジュースやお茶などを車に積み込む作業をしていたゲオルグが
キッチンに顔を出す。

「他に何か積むものは・・・・・なにやってんだ? 2人とも」

身を寄せ合うなのはとヴィヴィオの姿を見たゲオルグは、首を傾げながら尋ねる。

「母娘のスキンシップ、だよ。 ね、ヴィヴィオ」

なのはがウィンクしながらそう言うと、ヴィヴィオもニコッと笑って頷いた。
2人の様子に腑に落ちないものを感じつつ、ゲオルグは険呑な目で二人を見る。

「・・・・・どういうことだ?」

「パパにはナイショなの! ね、ママ」

「そうだね。 女同士の秘密だね」

悪戯っぽい顔で笑い合う2人を見てゲオルグ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ