アカデミー編
はじめまして
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瞳からぽろぽろと涙をこぼし、必死に懇願する。
「お願い、お願いだから、言わないで。言われたら、気づかれる。悲しませるから」
「…っ。いいから、落ち着け。何を言いたいのか、分からん!」
「悲しっ、ませる。あの子を、弟を、だから、お願い」
「だから、分かりやすく言え。それに、そのあの子のことを説明しろと!」
何度も同じことを繰り返すカトナに、きれたらしいネジが肩を掴んで落ち着かせようと、手を伸ばした。
しかして、何度も暴力を振るわれていたカトナは、その行動を制止ではなく攻撃だと思い、思わず後ろに身を引いた。
ネジから逃れようと動いたカトナの足が、床に置かれていた物の山に当たった。と思うと、ピタゴラスイッチの如く、ネジの足の近くに置かれていた物の山を崩した。
いきなり予測不可能な方向から来た物体の衝撃で、ネジの足がカトナがいるほうに倒れ込む。
攻撃が来るとは思っていたが、まさかネジごと来るとは思っていなかったので、なんの心構えもしていなかったカトナもつられ、ネジと共に倒れる。
そんなどこぞのラノベのような展開により、結果、ネジはカトナを押し倒した。
右手をカトナの胸のうえに置いて。
しかも、倒れた時の衝撃でつかんで。
さて、話しは変わるが、カトナはアカデミーでは変化の術をしているので、ネジなどのクラスメイトや教師などには男子と思われていた。だが、今現在は変化の術を解いているので、本来の女子の姿になっていた。
女子の、姿になっていたのである。
そして今の女子は成長期なので、端的にいうと、胸が育ってきているのである。
触れたことが無い柔らかさ。それも胸。太っているというわけではない、カトナは凄く細い。
ならば、この胸の柔らかさの答えは一つしかないわけで。
一気にそこに思考が追い付き、真っ赤になったネジに、カトナは不思議そうに首を傾げた。
彼女はネジの掌が触れている部分を見る。
自分の胸が男性に触れられているという事実を認識した瞬間、彼女の思考が再びエラーをきたした。
一瞬の羞恥が、瞬く間に脳裏を埋め尽くした赤いものにかき消される。
また、ずきりと瞳の奥が痛んだ。
羞恥が瞬く間に消えて、掴まれている胸が痛みを訴える。それ以外のすべてが思考から除外された。
カトナの思考がまた、ぐるりと回った。
とりあえず話してもらおうとそう考えて、ネジの方を見る。
一方のネジはといえば、カトナの胸を掴んだまま、絶句して固まっていた。
カトナはまだまだ発展途上とはいえ、女子の胸である。
そしてこの時期に、少女は第二次成長期を迎え、体に丸みが帯びてくる。
まぁつまりは、カトナも例外にもれず、柔らかいほうだった。
その結果硬直し、男だと思っていたクラスメイトが女子
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