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『ある転生者の奮闘記』
TURN4
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いでいた。

「鮭の皮は嫌いなんですか?」

「う……うむ。どうも苦手でな」

 山下長官が顔を赤くして呟いた。

 ……意外と可愛いなおい。

「へぇそうですか。自分は皮は好きですけどね」

 俺はそう言って鮭の皮を食べる。

 皮は美味いんや、分かるか?

 それから俺と山下長官は他愛もない話をしていた。

「……一つ聞くが……貴様はガメリカと戦う事になると思うか?」

「ガメリカとですか?」

「そうだ」

 食後のお茶を飲んでいたら山下長官がそう聞いてきた。

「……可能性はあるでしょうね。今のように向こうが挑発のような態度をとれば遅からず国民の感情は爆発します」

「ふむ……」

 山下長官が腕を組む。

「陸軍長官が一介の艦長に聞くなんぞ光栄ですね」

「いや、東郷が言っていた。狹霧は中々の考えをした人物だとな」

 ……てかこの人、原作やと精神論を出してたけどこの世界ではあまりないな。

 ……俺や茂がいるからその影響やろか?

「自分はそこまでの人物ではないですよ山下長官。買いかぶり過ぎです」

「フン、東郷に聞いてからそうだと思ってたがな……」

 山下長官は笑う。

「鮭定食は美味かった」

「食堂に来れば何時でも食えますよ」

「ふ、そうか」

 山下長官は食器を返却口のところに返した。

「それではな」

「えぇ」

 山下長官は食堂を出た。

「……やっぱ原作とちゃうな。俺や茂がいるから少し変わったんやろか?」

 俺はそう呟いてお茶を飲んだ。





 ワープゲートを出た第四戦隊は無事に日本星域に到着した。

「これより横須賀に帰港する」

「ヨーソロー」

 第四戦隊の四隻はゆっくりと惑星日本に降下していく。

「着水します」

 そして四隻は横須賀沖合いで無事に着水した。

「速度を第一戦速に切り替えろ」

「速度第一戦速ヨーソロー」

 四隻は第一戦速で横須賀軍港に入港した。

「接舷します」

 摩耶は桟橋に接舷する。

「舷梯降ろせ」

「了解。舷梯降ろします」

 舷梯が降ろされて桟橋に付く。

「狹霧艦長。短い間だったが感謝する」

 山下長官が艦橋に入ってくる。

「いえいえ。中々楽しい船旅でしたよ」

 俺は苦笑してそう答える。

「そうか、それではな」

「はい」

 俺と山下長官は互いに敬礼をして山下長官が艦橋を降りた。

 舷梯が降りた桟橋には待機していた陸軍の軍人がいた。

 舷梯を降りた山下長官は待機していた車に乗り込んでそのまま走り去った。

「さぁて摩耶をドックに入れるか」
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