九校戦編
Episode27:ルアー
[10/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いたというのに、その行為は火に油を注ぐものだった。
E組の人たちに向かってブーイングが飛びそうになったとき、深雪さんと会長も手を叩いた。
それに伴って、他クラスにも拍手の波が伝播していく。
達也に向けての拍手が、九校戦メンバーに向けての拍手にすり替わっていた。
☆★☆★
発足会が終わり、校内では九校戦に向けた準備が一気に加速した。各選手の出場種目も決まり、各々に魔法で特訓している中、隼人はある人物の特訓に付き合っていた。
「まだ発動が遅いよ! その魔法はあくまで牽制用なんだから細かく座標を設定する必要はない! それよりも発動スピードを意識するんだ!」
透明な砲弾を、あらん限りの身体能力で躱す隼人に対し、特訓を申し出た生徒−−森崎は肩で息をしていた。
ここまで約一時間程。隼人はずっと森崎の攻撃を避け続けている。被弾した魔法は一つもなく、一時間動き回ってるにも関わらず疲れた様子がない。
今回の修行において、隼人が森崎に指示したことが一つある。
それは、『自分の命令には従うこと』。これにはやはり、いくら隼人を尊敬している森崎でさえも反発せずにはいられなかった。
結局隼人に押し切られ、一体なにをらさせられるのかと身構えた彼だったが、隼人が命令したことは何の事は無い。使用魔法と戦法の指示のみだ。
それは、圧縮空気を砲弾とし、それを飛ばす『風槌』をブラフとし、風槌を更に圧縮した空気を飛ばす『エア・ブリッド』でノックアウトを狙うというシンプルなもの。
だが、その魔法は空気を元にするためどちらも一目には判断して躱すことのできないもの。広範囲に影響のある風槌で怯ませた後に、圧縮して威力を上げた弾丸を躱すのは、イデアの世界を直接視れる隼人か、起動式を読み取れる達也でなければかなりの困難だ。
恐らく、領域干渉を使われない限りはかなり優れた戦法だと言える。
そしてそれを行うのが、『クイック・ドロウ』、即ち早撃ちを得意とする森崎なのだから、敵としては厄介なことこの上ない。
だが、隼人には当たらない。森崎では、隼人には届かない。
彼の持っていた『エリートとしてのプライド』は隼人にへし折られつつあった。
しかしそれこそが隼人の本当の狙い。自分の腕に自信を持つことはいいことだが、過信することは極論、前へ進むことを辞めるということだ。森崎は、程度が低いとはいえそれに近い状態にあった。
このままいけば、近い内に本当の実力というものを知って立ち直れなくなるかもしれない。ならば、森崎の自尊心が肥大化する前に、圧倒的な実力差を見せつけることが重要だと隼人は判断したのだ。
「ラスト! 気合い入れて!」
手持ちの時計で時間を確認すると、特訓開始から既に二時間近くが経
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ