九校戦編
Episode27:ルアー
[2/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たちから『モノリス』と略される男子のみの競技だ。
ステージと呼ばれる試合会場で、敵味方三人ずつの選手によって『モノリス』を巡って魔法で争う。
相手チームを全員戦闘不能にするか、敵陣にあるモノリスを二つに割り隠されたコードを送信することで勝敗が決する。相手チームへは、魔法攻撃以外の戦闘は禁止されており、また、モノリスを割りコードを読み取るためには、無系統の専用魔法式をモノリスに撃ち込まなければならない。
九校戦で、最も白熱する競技でもあった。
「それにね、その四人の中の一人だけは仲間と隔離された場所からスタートになるんだって。それで、その一人が倒されればそのチームには読み取らなきゃいけないコードが増える…とかなんとか」
「ふぅーん…その一人はかなり重要だね。倒されちゃいけない、しかし相手に居場所を探られにくく、自由行動がしやすい……」
まるで暗殺者みたいだ、と隼人は心の中で呟いた。嫌な予感を、抱きながら。
☆★☆★
試験が終了してからというもの、隼人は放課後のほとんどを風紀委員本部で過ごしていた。本当なら、素早く家に帰って部屋でぐうたらしていたい気分だったが、達也にいい笑顔で脅されては仕方ない。なんでも、個室に摩利と二人きりは精神的に疲れるらしいのだ。
どうやら達也は、摩利に頼まれ(押し付けられ)て、そろそろ近づいてきた風紀委員会の引き継ぎについての資料作りをしているようだ。
達也が黙々と資料を作っているその横で、隼人と摩利は丸めたノートでチャンバラをしていた。
「セイッ!」
「っと!」
「む、今のを躱すか!やはりやるな隼人くん!」
「な、なんか潔く負けた方がいい気がしてきたぞ…」
「…………」
ピクリ、と達也のこめかみが強張った。
それを目敏く見つけたのか、隼人は話題転換をするために目先に迫ったノートに集中した。
パァン!と綺麗な音を立てて、摩利の振り下ろしたノートは隼人の両手に受け止められた。所謂、白刃取りだ。
「そ、そういえば九校戦のモノリス・コードなんですけど、参加選手が一人増えるって本当ですか?」
先程三人の話題に出てた九校戦。結局、さっきはCADの調整をするエンジニアが不足していて、摩利が自身でCADのチューニングできないという自爆話で一旦途切れたのだが、隼人はふと鋼から聞いた話を思い出していた。
「ああ、なんでも限りなく実戦を想定したものを目指したらしい。戦況で言うなら、『大事な情報を持った一人が敵陣に取り残された』というところだろう。そいつを相手に倒されるとこちらが不利になるが、どうやら同チームのメンバーがそいつを倒した場合はペナルティはないそうだ。確か、そいつの名称は『囮』だったかな?」
「…なるほど、このルールを作った人は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ