第1部
第3話 我、疲労困憊ス
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常識程度、と言って居ましたし、持ちかけて来たのはあの子≠ナす。
問題はありませんよ」
定晴の隣に控えている秘書艦の鳳翔が、手にした書類の束を捲りながら言った。
「今日の講義項目と執務内容、それから妖精さん達からの報告書です」
「ああ、いつも悪いな」
「いいえ、私の仕事ですから」
「はは、本当によく出来た俺の…」
そこまで言いかけて、扉が開く音がしたので押し黙った。
艦娘達も一斉に黙って扉を見た。
「おいカズハッ?? シャンとしろシャンとッ??」
「もう、無理……死にそうだ……」
「何を言ってるんだお前はッ?? たかが足の小指を自販機にぶつけただけだろうッ??
私だって艦長としての仕事を棚上げして来ているんだッ??
艦隊司令のお前がしっかりしなくてどうするッ??」
「だって……風呂入ってこようと思ったら赤城姉さん達が昨日からずっと入渠中でさ……。
結局風呂入れないし、飯もありつけなかったし……腹減った上に汗まみれで気持ち悪いし暑くて寝れなかったから寝不足だし……」
「だああぁぁぁああああッ?? さっさと気合いを入れろッ??
さもないとハイパーメガ粒子砲で消し飛ばすぞ貴様ッ??
それともマリモの部屋に服を剥いで叩き込まれたいかッ??」
「社会的にも生物学的にも死ぬじゃないですかやだー……」
入って来たのは、外国人の左官に襟首を掴まれ引きずられている一葉だった。
???
数分後
「じゃあまず始めに連邦軍の事から説明しようか」
度重なる不幸に鬱になり始めて居た所をラトロワに肉体言語で矯正され、なんとか立ち直し、部屋に設置された黒板の前に立ち、講義を始めた。
「今俺が所属している連邦軍…正式名称地球連邦軍は、地球連邦政府の軍隊だ。
地球連邦政府の歴史自体はそんなに古くない。
西暦2009年、当時の日本を含めた諸外国が国家の枠組みを越えて創り上げた、新基軸の国家なんだ」
「あの……」
「ん? 電姉さん、何か質問?」
「その、地球連邦政府ってどの位大きい国なんですか?
アメリカよりおっきいですか?」
特V型駆逐艦の電が、恐る恐る手を上げて聞いて来た。
他の艦娘達も気になって居た様で、彼方此方で手が上がり、同じ様な質問が飛んで来た。
「いい質問だね。
地球連邦政府は読んで字の如く、地球圏を丸々統治下に置いた国家なんだ。
地球上だけでなく、各サイド……スペースコロニーのあるラグランジェポイント、火星や月、木星圏まで影響力を持ってるんだ」
「木星??」
「そんなに広いなんて……」
驚くのも無理は無い。
この世界ではまだスペースシャトルや人工衛星の打ち上げなどが精一杯で、宇宙に人が住むなんて考えもつかないだろう。
「話を戻すね。
そん
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