十五話 反実力主義者(テッド)
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テロリストは大半捕まり、一人逃走中。
レストランは警察で囲まれていて、大きな事故があったということは一目でわかるようだった。まだ爆発の火が絶えず黒煙が微妙に揺らいでいる。
黄色いテープで囲まれている現場には野次馬の人々が集まっていた。
確かにこの街では珍しいことかもしれない…
テロ事件はここ最近、減っているからだ。
◇◆◇
駅に向かって5人で歩いていた。
一直線の商店街を真っ直ぐと。
広翔は左端、そこから蓮、加奈、エレナ、鈴葉、とならんでポジションを取っていた。
「ほんとうにこれでよかったの?」
こう何度も繰り返しいうのはエレナだった。
俺にテロリストを逃がしたことに疑問が残っていたようだ。
「いいんだよ。こっちには利益も何もないからね。」
広翔はためらいもなく、応答する。
「利益ならあるだろ! ほら、懸賞金とか…賞とか…」
それに蓮はツッコミを入れる要領でそう言った。
「そんなにお金に飢えてないよ」
広翔は鼻で笑って済ませた。
「でも、すごかったな〜 ひろとクンのかっこよさ。さすが!ってカンジ?」
嬉しそうなエレナはそう言った。
一人だけ天気違いのようだ。
「そんなことないさ、蓮だって抑えることくらい出来ただろう?」
という広翔の言葉に蓮は笑い、溜息をついた。
「少なくとも、あんな立派には出来ねえよ。全て力まかせでいくからな。」
確かに蓮の性格だったら、一直線に突っ込んで行くのだろう。と心の中で思った。
「そういやさ、広翔って格闘技かなんか習ってたのか?」
「いいや? そんなことはないけど…?」
広翔は少しニュアンスが変わって言ってしまったような気がした。
「へー… なんだか鮮やかな蹴りだったなと思ってな。」
蓮は少しためらいを持っていた。
「・・・そうか。」
(少しやり過ぎたよう……だな…)
◇◆◇
広翔達は食事が終わって、さっさと解散した。
加奈と広翔は帰宅し、自分の部屋でのんびりしていた頃だった。
「ひろーー! コーヒーいれたよ〜」
一階から大きな声が聞こえた広翔は今日買って調整していたMPCをぱたっと閉じ、階段を下りた。
階段を下り、ダイビングルームに入ると、姉はコーヒーを飲みながらソファーに座って待っていた。
「サンキュ」
と広翔はそう言って加奈の隣のソファーに座った。
「・・・ひろ、あれは本当に
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