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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第400話】
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らいだろう……目測になるがな」


 立ち上がり、機体をその場で固定すると肩の大型リボルバー・キャノンで支援砲撃を開始する、だが縦横無尽に動くサイレント・ゼフィルスに対して当てる事は出来ない――それどころか、下手するとフレンドリー・ファイアになるため、限られた瞬間しか攻撃が行えなかった。


「……っ! こうも速く動かれては……!」


 軽い舌打ちと共にラウラの呪詛の言葉が聞こえてきた――空では、三人を相手にしながら攻撃を避けるサイレント・ゼフィルス、正直数では此方が勝っているが、エネルギーが少ない為、ほぼ互角だろう。

 篠ノ之は機雷に触れない様に脱出を試みてるが、暫く時間が掛かるように見える。


「ヒルト! ここは僕がラウラの防御に回るよ! だからヒルトは他の皆と一緒に戦って!」


 意識を取り戻したのか、力強い言葉でそう告げるシャル。


「シャル、身体は大丈夫か!?」

「大丈夫! リヴァイヴが僕を守ってくれたから! でも、増設スラスターは完全に死んじゃってるし、他のスラスターもラウラ同様オフライン、他にも武器が出せない不具合が起きてるから!」


 言いながら肩の増設スラスターを切り離すと、それが落ちていく。

 鉄屑に変わったそれは、もう役に立たないだろう――投擲に使う以外には。


「ヒルト、僕がラウラの防御に回るから、ヒルトは皆を! ……ごめんね、肝心な時に僕もラウラも役にたてなくて……悔しいよ……っ」


 シャルの言葉に、ラウラも唇を真一文字に結ぶ。


「……後は任せろ。 シャル、増設スラスター借りるぞ」

「え? で、でももうそれは動かないよ……」

「動かないからといって役に立たない訳じゃないさ。 ……ラウラ、射撃を当てるのではなく、相手の動きを止める形での援護を頼む!」

「……わかった! 嫁の期待に応えるのが夫の努めだ。 シャル、可能ならコア・ネットワーク経由から私の射撃補正も頼む」

「わかったよ! まだ僕のターゲットセンサーは生きてるから!」


 そう言って防御体勢になりながらも、コア・ネットワーク経由で情報を送るシャル。

 俺は肩から切り離されたスラスターを両手に持つと、三人の元へと飛翔していった。
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