第八話
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中隊の次期主だ!!」
腹の底から発せられた声が轟き渡る。
水銀旅団たちに動揺が、メイドたちにざわめきが生まれた。
「彼女たちの敵は即ち俺の敵! 当方に慈悲の心あらず! 故に我らを害する意があるのなら、相応の覚悟を以って臨むがいいッ!!」
殺気とともに腕を一振り。
風圧によってカメラ小僧と呼ばれた男たちが転がっていく様に、水銀旅団の面々が震え上がる。
「来ないなら、こちらから行くぞッ!」
一歩踏み込む。
振脚を利かせた歩は重い音とともに大地に罅を入れた。
「う、うわぁぁぁぁぁ!」
「こんな怪物に勝てっこねぇべさぁぁぁ〜!」
一人、二人と逃げ出すと、まるで蜘蛛の子を散らすかのように後に続いた。
我先にと逃げ惑う男たち。指揮官と思われるやけに立派な髭の男が血相を変える。
「どこに行くというのです!? こらっ、待ちなさい! 敵前逃亡は重罪ですぞ!」
――間違いないな、こいつが指揮官か。
喚き散らす男に近寄りその顔を五指でがっちりと固定。ギリギリと力を込めていった。
「即刻、この島から出て行け。二度と俺たちに関わるな」
「ひ、ひひ……」
「これはお願いじゃない」
ピキッ、と嫌な音が耳に、小さな振動が手に伝わる。
徐々に赤くなっていく顔を覗き込んだ。
「――命令だ。それとも無残な屍を晒すか? 俺はどちらでもいいぞ?」
「はいぃぃぃぃぃ!! 即刻立ち去りますぅぅぅ!!」
言質は取った。ぺいっと投げ捨てると、悲鳴を上げて去っていく。
後に残ったのはパジャマを着た女の子たちだけだ。彼女たちは険しい表情を浮かべながらもその場に留まっていた。
――……力量差を知りながらも退かない、か。
その姿勢は己の責務を全うする者のソレであり、メイドさんたちに通じるモノを感じた。
「……君たちも行きな。追わないからさ」
怪訝な顔をする少女たち。俺は一部例外を除いて女子供には手を出さない趣味なんだ。
ヤル気はないと手をひらひらさせると、顔を見合わせて小さく目礼した。
撤退する少女たちを見送っていると背後からリーラの声が掛かる。
「よろしかったのですか? 彼らが式森様の言葉を聞き入れるとは思えませんが」
「その時はその時だ。まあこの島からは出て行くだろうね」
「そうですか……」
「和樹さんッ!」
第三者の声。ああ、そういえば居たんだっけ、と今になって思い出した。
振り返れば「私怒ってます!」とでも言いた
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