第八話
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難なく避けることが出来たが、彼女が立っていた場所に小さなクレーターが出来上がっていたことからどの程度の威力が込められていたかが窺えた。
「和樹さんをどこにやったんですか!」
次々とサラマンダーを召還して攻撃してくる少女。
「和樹様とは式森様のことですか? あなたは彼とどのような関係が?」
「和樹さんの妻です!」
断続的に放たれる炎の塊を避けながら、少女の言葉に眉をピクッと動かす。
――そういえば日本支部からの報告に、式森様に執拗的な執着を見せる女性がいるとの話が上がっていたな。彼女がそうか……。
「式森様はあなたを妻と認めていないようですが」
しかしながら、彼女の言葉を素直に肯定するわけにはいかない。当の式森様自身もその話は否定されているようだし。
なにより一人の女として許容できない。
「和樹様はシャイなので照れているだけです! というか、あなたたちは和樹さんのなんなんですか!?」
「式森様は私たちの次期主です。あなたにはこの島への招待状を送っていませんのでお引き取り願います」
「なんですかそれ!? 和樹さんにメイドなんて必要ありません!」
「それを決めるのはあなたではありません。引いて下さらないのであれば、相応の対応を取らせていただきます」
愛用の銃を構え発砲する。相手は仮にも式森様のご学友。戦意喪失を狙うため手足を狙った。
「しゃらくさいですっ!」
少女は人間離れした反射神経で身を反らし、驚くことに銃弾を避けた。ただの日本の女子高生がだ。
いやに野生的な動きで跳躍すると今度はウンディーネを召還した。
「くっ、この島は魔法禁止だというに……っ」
しかし、仮に知っていたとしても少女は気にせず魔法を乱用するだろう。邂逅して僅かな時間しか経っていないが、目の前の少女は常識が通用しない相手だということを理解していた。
「和樹さんに言い寄る女性はみんな敵です! 殲滅です!」
なにを思ったのか、少女はリーラたちメイドだけでなく水銀旅団の団員たちも攻撃し始めた。
彼女にしてみれば和樹の近くにいる女性は皆的なのだろう。むしろ女性というだけでターゲットにされそうだ。
「無差別攻撃……っ! 話には聞いていたがここまで滅茶苦茶な人だとは……っ、」
突然の少女の乱入にポカンとしていた水銀旅団はいきなり攻撃されて混乱状態にあった。
メイドたちも面食らった様子を見せていたが訓練の賜物か、慌てることなく冷静に対処する。
――しかし、自体はさらに思わぬ展開を迎える。
「また君か……」
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