第八話
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い。当然、真水の確保は重要だ。相手に利を与えるほど私は優しくない。……水銀旅団に動きは?」
「今のところありません。数だけは多いようですが、例によってトレーディングカードの交換会、臨時オフ会で忙しいようです」
「……相変わらず何がしたいのか分からんな」
「同感です」
「……一個分隊を派遣する。第一メイド猟兵小隊に連絡しろ」
指示を飛ばしていると、警報が鳴り響いた。
モニターにかじりついていた部下が振り返って叫ぶように報告する。
「水銀旅団と交戦! 第四防衛区域が突破されました!」
「第三機動小隊はどうした!」
「駄目です、応答ありませんっ」
敵は思っていたよりも強かのようだ。
現在確認出来ている水銀旅団の装備は動小銃と軽機関銃、RPG。戦車のような装甲戦闘車両はなく、軍備はこちらのほうが明らかに上。
にも拘らず、第四防衛区域が突破されたとなると、敵になんらかのアクションが起きたとみていいだろう。
「第一猟兵メイド小隊は第三機動小隊の安否の確認! 第二機動小隊は井戸の破壊! 第二、第三猟兵メイド小隊は戦闘準備! こちらから撃って出るぞ!」
「じゃあ、あたしも行くかな」
「そうしてくれ。式森様がいる手前、無様な姿はお見せできん」
「はいはい。お暑いことで」
肩を竦めたセレンは自分が率いる部下達の下へ向かった。
明日は誓約を控えているのだ。私たちメイドにとっても式森様にとっても大切な一日である。
何人たりとも邪魔はさせない。
さっさと頭痛の種を取り除いて一刻も早く、式森様の元へ駆けつけたい。
逸る気持ちを押さえ込みながら早足で司令室を後にした。
† † †
「進め進めー! 奴らの誓約日は明日。なんとしても阻止するのですっ!」
「ぐへへへ、メイドさんを激写するお!」
「ネリーた〜ん!」
「え、エーファたん……」
前線は激戦区と化していた。
互いに銃器とカメラを構え、飛び交う弾丸とフラッシュの嵐。
素の戦闘力がカメラ小僧たち六人に匹敵するメイドたちは当初、圧倒的な火力で押していたが、水銀旅団が抱える虎の子、ピンクパジャマ中隊が参戦してからは雲行きが怪しくなってきた。
ピンクパジャマ中隊の少女たちはなにを隠そう、元MMMのメイドたちで構成されている。
嘗て己が所属していた組織を抜け出し、ピンクパジャマ中隊に志願した理由は様々だが、そ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ