第二章
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かに聴こえた。
きりぎりす 声もかれ野の 草むらに 月さへ暗し 殊更に鳴け
「詠んで下さい」
おたけはそう語ったうえで浜田に顔を向けてきた。
「どうぞ」
「よいのか?」
「はい」
小声で話す。そのうえで言葉を続ける。
「わかった」
浜田はそれに頷いた。それを受けて妻の歌を詠んだ。
「それではな」
そして妻の歌を詠んだ。するとその歌は義隆達をいたく喜ばせた。
「ほほう」
「これはまた」
「見事じゃ」
義隆は会心の笑みを浮かべて彼に言う。
「流石じゃな」
「有り難き御言葉」
義隆に頭を垂れて礼を述べる。
「そういえばの」
ここで義隆は思い出したかのように話をはじめた。
「何でしょうか」
「駿河の主の。ほれ」
「今川義元でございますか」
「あの者はわしよりも都の文化に憧れておるようじゃな」
「そのようです」
浜田はその言葉に答えて述べた。
「噂では眉を丸めて髷も公家風にしているとか」
「それだけではないようですぞ」
浜田とは別の家臣も言ってきた。
「お歯黒もして言葉遣いも公家風だとか」
「何と」
「それはまた徹底しておるな」
「しかもじゃ」
義隆はここで自分も述べてきた。
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