プロローグ
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【マリー】。俺と同じくソロで攻略組に属している手練れである。
肩まで伸びた茶髪は彼女が動くたびに美しく揺れ、そのきりりとした顔立ちは自然とみなから視線を集める。
全体的に白色でコーディネイトされた華麗な服装の所々にあるエメラルドグリーンの装飾がさらに装備を引き立てている。つまり外見だけなら誰がどう見ようと美少女極まるなのだ。外見だけなら。
「ていうかその毒舌いい加減なんとかならないのか。すごい疲れるんだが」
「喋らないでくださいと言ってるでしょう。なんですか? あなたは一秒おきにわたしへ言葉を投げかけないと身体中から発疹が出てきて絶命するとかそういう病気なんですか? だとしたらすごい変態ですね。この変態」
「何から何まで全部違うぞ! ていうかお前残るって言ってたくせにどうしているんだよ」
「わたしの行動を津々浦々に話す義務でもあるんですか? どうしようがわたしの勝手です」
「そりゃそうだが――って来るぞ!」
会話している中でもリザードマンは待ってくれない。
「マリーこの状況お前ならどうする」
「愚問ですね。そんなこともわからないなら攻略組なんて抜ければいいじゃないですか」
「あるのか。打開策」
「はい。いいですか? まず後ろを向きます。その後その地面を蹴るだけのどうしようもなく利用価値もない屑足を精一杯動かして走ってください以上」
「はぁ? それつまり」
マリーに視線を移した時、既にそこにマリーの姿はなく、代わりに視界に映ったのは
逃げるマリー
襲い掛かるリザードマン
棒立ちの足。勿論俺の
「……マリイィィィ!! 待てぇぇぇぇ!!」
結局俺はゴリ押し脳筋選択‘頑張って逃げる’を半ば強制的に選択させられ命からがら迷宮区からの離脱に成功した。
これは不運に駆られる少年の、深淵の物語――。
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