二十六話 宿題
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「まぁ、モブ顔なのに寝るってのは言語道断だから、それはわからんではない」
「いやいや!わかんないから!意味不明だから!」
この事態の理不尽さに半泣きの友近。
(人生ってのは理不尽なもんなんんだよ。俺の転生とかな・・・)
「で、何点取ればいいんだ?」
「きょ、協力してくれるのかぁ!」
「さ、彩ぃぃぃ!!」
「ま、他に頼る奴いなさそうだしな」
(まぁ、多分だが、授業中寝てる俺が成績がいいのが気に食わないとか、イヤミ田らへんが鳥海先生に言ったんだろうよ。それで成績が上がらなかったら、俺とつるんでるからだ、とかにもっていきたいんだろうな)
(※その通りです)
あの先生無駄に回りくどいしな、と思いながらも、自分のせいだとは言えないので、
「それに、俺達親友だろ?」
なんて言ってみる。
「彩ぃぃ!!」
「一生付いていくぅぅ!!」
なんて薄っぺらい親友だ。
(感激してるのに、その原因が俺とは、申し訳ない)
心の中では謝っておいた。
勉強会が始まって大体1時間が経っただろうか、早くも二人がダレ始めた。
「もー無理ぃ〜」
「ギブぅ〜」
俺の部屋のテーブルに突っ伏している。
「おいおい、しっかりしてくれよ。せっかく教えてるのに」
「うぅ〜スマン」
「なんでこんなことにぃ〜」
(俺のせいでこの状況になった、なんて言えないな・・・)
内心で罪悪感を感じながらも、実際に言うことはない。
ひどい奴である。
「とにかく、今日はこっから、ここまでのページが目標な」
「うげっ!?多くない?」
「それだけサボって来たんだろ」
「ぐっ・・・そう言われると返す言葉もない」
「ま、とにかくガンガン問題解いていこ。分からなくなったら言って。多分俺の方が教師より教えるのうまいから」
「おぅ!任せたぜ親友!」
「頼りにしてるぜ!」
二人は再び勉強をし始める。
それにしても、学力5というのはかなり便利だ。
大体4になった時くらいからだろうか、2,3回見たものは忘れなくなった。
もはや擬似瞬間記憶能力である。
それからだろうか、前世では苦労した英語や古文の単語や、世界史などの暗記系で苦労することがなくなった。
前世ではバリバリの理系(といっても文系科目があまりにも悪すぎてそうなっただけなのだが)だったため、他の数学や理科系では全く問題がない。
つまるところ、これで苦手科目がなくなったわけだ。
それに、前世では自分ができなかったため、所謂『出来ない人』の気持ちがわかるわけだ。
これでもクラスでは、教えるのがうまいと評判なのだ。
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