志乃「兄貴、手離して」
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んの?逆に」
素で気になったので、自然にそう聞いてみる。すると、
「勿論!昨日の自己紹介で一番目立ってたもん!」
ああ、こいつクラスメイトだ。出席番号一番でナカタサンが好きって言ってた奴。
変な目立ち方したなやっぱり。
でも、言わなかったら居心地悪かったかもな。今みたいに、一つ年下の奴と自然体で話せなかったかもしれないし。やっぱり志乃には感謝しないと。
「で、葉山君……先輩?」
くりくりした目が、純粋に疑問を伝えている。俺が先輩と呼ぶように言えばガチでそう呼ぶな、こいつは。
「いや、葉山でいい。先輩って呼ばれんのは来年からで十分だ」
「了解!じゃあ葉山君、第一に質問させてもらっていい?」
「おう、構わないぞ」
「何で葉山志乃さんは体操服なの?スポブラ透けてるよ?」
「ノーコメントで」
「えー?最初から返答拒否なの?」
これに関しては言わない方が身のためだろう。うちの家族、皆普通じゃないんだよ。
じゃ、次はこっちから質問させてもらおう。
「そんな事より、五十嵐も歌いに来たの?常連?」
「まぁね!去年は十二月ぐらいまでは何度か通ってたよ」
思いきり受験シーズンじゃねぇか。
「でも一月は行けなかったなー。お母さんが言っちゃダメだって言うんだもん」
そりゃそうだろ。一月になってまだカラオケ通ってたらお母さんも心配になる筈だ。
「まぁ、塾の帰りに行ってたけどね!」
こいつ、俺よりカラオケ中毒だわ。
ある程度話はしたし、そろそろ切り上げるか。後は学校で話せばいいだろ。
「じゃあ、俺達は帰るわ。五十嵐はまだ残るのか?」
「うん、まだ歌い足りないからね。でもまだ復旧してないんじゃない?」
五十嵐の言う通り、店内はいまだに電気が通っておらず、周囲は客のどよめきや笑い声で埋め尽くされている。
その時、店内放送が入った。よし、早く俺達を家に帰らせてくれ。
だが、聞こえてきたのは到底考えもしないような内容だった。
『店内にいる連中に告げる。すぐに一千万用意しろ。さもないと、この建物をお前らごと破壊する』
……これ、なんていうクソゲー?
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