志乃「グレートオレンジスクランブル versionAK 最終決戦仕様で」
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おこぷんぷん丸ですよ?
まぁ、いつもの事なので軽く無視。ここからは楽しませてもらうぞ。
「うわ、美味しくない」とかほざいてる妹は放って、機械でマイルームに入って曲を探す。なんか歌いたいやつ無いかなー。
そうして、部屋の中に必然的な『無』が生じる。そこにあるのは、機械をタッチする度に響くピ、ピという音だけで、俺達の声は無かった。
そこで再び、俺の頭に志乃の言葉がリピートされる。
――『兄貴こそ、自分から逃げようとしたのに、よく黒パーカーなんて着れたね』
俺には分からない。この言葉の意味が。
志乃が何を俺に伝えたいのか、何を示そうとしているのか。
これを理解出来れば、妹との仲も深まるのではないか。そうも考えた。
だが違う。これはそういう話じゃない。
ならなんだ?俺は何から逃げた?俺はもう、逃げないって誓ったのに。また何か、間違えたのか?
その時だった。隣から、小さな声が吐き出される。
「……私の言ったこと、理解出来たの」
それは、俺に対する疑問だった。
「……ごめん、まだ理解出来てない」
素直に答える。ここで強がっても、鋭い感性の妹にはすぐにバレてしまうだろうから。
すると、妹はヘッドフォンを耳から外し、首に下げる。俺と話すために取ってくれたのか。やっぱ常識人だな。
と思ったら、志乃は俺が持ってきたジュースを飲み始めた。って、え?
まさか、そのためにヘッドフォン取ったの?ジュース飲む事と関係無くね?
妹の言葉より、妹本人を理解する方が先な気がしてきたんだけど……。
*****
とりあえず歌う。必死に歌う。頑張って歌う。それ以外は無い。
ロックからJポップ、アニソンやゲーソンまで、俺は多くのジャンルに手を伸ばしている。歌えないものとすれば、民謡とかオペラ系だ。演歌も一部歌えたりする。
ちなみに、俺が一番好きなジャンルはロックだ。別に歌手の人に憧れてるわけじゃないけど、あのサバサバした感じが好きなのだ。
というわけで、俺が歌う曲の中の半分はロック系の曲だ。カラオケに来たら必ず歌う曲もあるし、覚えてきた曲を試す事もある。そうして、歌いやすい曲を見つけてはひたすら練習する。
これは、志乃から言われた事である。とにかく、自分が歌いやすい曲を練習しろ、そのような命令が下されているのだ。
そこに反論するような部分は無いので、俺もそれに従って同じ曲を何度も歌う事がある。まぁ、俺自身が飽きる事が多いけど。
志乃は勿論歌わない。そんなのは元から知っている事であり、俺が志乃にカラオケの機械を渡す事が無い。もはや、いる意味が無いのである。
……ジュースならその辺
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