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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第399話】
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ぶっ飛んだぜ!」


 拓斗、信二の二人は初めて見るキャノンボールに終始興奮を隠せずにいた。

 一方の成樹は――。


「……レースも良いけど、僕はヒルトが心配だよ。 一時はトップだったけど、今は七位……。 野次は無くなったとはいえ、いつまたさっきの様な野次が飛ぶか……」

「……だよなぁ。 てかさ、それだと今最下位争いしてる二人なんか真っ先に野次が飛びそうじゃん? ……やっぱり飛ばねぇのって――」


 拓斗の問いに、静かに頷き成樹は口を開いた。


「彼女達の姉、ブリュンヒルデの織斑千冬。 そしてISの生みの親で現在行方不明の篠ノ之束博士が原因だよ。 日本政府もメディアも、完全に二人を押し出すつもりだったからこそ、四月から続く偏向報道があったんだよ。 ――メディアに関しては、対比する二人の話題を出せば視聴率もとれるしね? 確か、夕方でも瞬間最高視聴率は10%を越えてた筈だし」


 ふぅっと軽く息を吐き、冷めきったコーヒーを飲み干す成樹。


「……しかしさぁ、同じ日本人でここまで毛嫌いするか普通? 幾ら報道があったってさぁ……」

「そこが僕達一般人――ううん、日本人の弱い所だよ。 例えばさ、黒板にバナナと林檎の絵を書いて最初と次、三人目までバナナを林檎って答えたら信二はどう答える?」

「え? バナナを林檎に間違える方が可笑しいんじゃね? 俺ならそのままバナナはバナナって答えるぜ!」


 そんな信二の答えに、目を丸くして可笑しそうに成樹は笑う。


「な、なんだよ! 別に普通だろ、成樹!」

「あはははは、ご、ごめん。 確かに普通はそうなんだよ。 でもね、群衆心理って謂うのがあって、間違ってても十人がバナナを林檎って答えたら、残りの皆も間違ってるって解ってても皆バナナを林檎って答えるのさ。 これは苛めにも通じる話でね、周りが一人の子を苛めてるのに自分が参加しないと、今度は自分も苛められちゃうんじゃないかって。 だから従って苛めグループに関わっちゃうんだよ」


 成樹の説明に、首を傾げる二人を成樹は目を細めて柔らかな笑みを浮かべる。


「難しい話だったかもしれないけど、僕達日本人は誰かからハブられたりするのを恐れちゃうからね。 ……だからいつの間にか、一般人にはそう浸透しちゃってたんだよ。 ――ふふっ、でも……流石に今は七位とはいえ、ヒルトの実力に嫌でも気付かざるおえないだろうけどね? それでもヒルトを批判する人が居たら、もうその人の中では根強くそれが正しいって思っていて、後で正当評価されたら一気に手のひら返しすると僕は思うよ」

「……かぁーっ! 俺なら人間不信になりそうだぜ……」

「だよなぁ。 ……ヒルト、どう考えてるんだろうな……」


 デブ
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