教会
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そうなくらいだ。
「君が心配しなくても特に問題は無い。どうせ事が終わったら、この体は破棄するつもりだしな」
「破棄?」
その表現は何か気にかかる。破棄というものなら体を全て捨てるということ。つまり、どういうことなんだ?疑問を浮かべている俺を見て青髪の女性はケラケラと笑いだす。
「聖杯を手にしなければムーンセルから生きて出られないことは。知っているだろ?」
「はい。でも、あなた方はNPCじゃありませんよね?」
一回戦の時に図書館で色々と調べたがNPCは、ここから出られないため聖杯戦争ごとに新しく作製され、聖杯戦争が終結すれば破棄されるという。
作っておいて一方的に破棄するのは納得いかないが、それについては今は置いておく。この人たちは見たところ人間だ。破棄というのはおかしい。
「ああ、君の言う通り私達二人が人間だ。ここにいられるのはムーンセルと締約を結び、マスターたちへの手助けを条件に永続権を得ている。その条件は普通のマスター達と変わらない。だから死んでもかまわない自分を作って来ているんだ」
ここから出られるのは優勝の一人だけ。そのためにこの人は自分を作った。そんなこと魔術でできるのか?
「あー、気にしなくていいからそこ。とっくに自分が本物と複製の差なんて分かんなくなってる変人の言葉だから。深く考えるのは止めた方がいいわよ?」
「…………………」
気づくといつの間にか改竄が終わっており、赤髪の女性は椅子に座り、アーチャーも空間から出てきていた。
「どうでしたか?」
「隅々まで調べて特に問題はないわよ」
「そうですか……………」
レイラインに何かあると思ったが異常なしなら、なんで俺は夢を見るんだろう?う〜ん、あと思いつくものがない。本当に問題がなかったのかな?
「腑に落ちないようだな。少年?悩みがあるなら話してみろ」
青髪の女性が悩む俺を見て、面白いものでも見つけたかのように言う。
「……………………相談するかどうかは、マスターに任せた」
アーチャーは背を向けて決定権を俺に委ねた。やはりここに来てから何か違和感がある。関わりを持ちたくないような態度がうかがえるな。
「はい。実はサーヴァントの過去を夢として見るんです」
「ほぅ、夢だと?」
俺の言葉を聞いて青髪女性は興味深そうな表情になる。しかし、どこか面白いおもちゃを見つけたような表情にも見えるのは気のせいか?
青髪の女性は笑みを浮かべると吸っていた煙草の火を消すと部屋の隅っこに投げ捨てて、立ち上がった。
「それは興味深い。何か問題があるかもしれない。私が調べてよう」
「何よ、嫌味。私の診断にケチつける気?」
赤髪の女性が不満そうな表情
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