教会
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「す、すいません。誰かいませんか?」
鼻をつまんだ状態で教会の中へと足を運んだ。奥に進むと二人の女性が椅子に座っていた。
「お?これまた可愛いマスターね」
先に声を掛けて来たのは赤い長髪が特徴の女性だ。隣にいる青い短髪の女性は無言で煙草を吸っている。声からして、さっきの怒鳴り声はこの赤い長髪の女性からのようだ。
「此処に来たって事は【改竄】しにきたのかな?」
改竄?
「何をですか?」
俺は首を傾げると、赤い長髪の女性が顔を顰める。突然、俺の中のセンサーが反応をした。俺の経験上このセンサーが反応する時は、遠坂やセイバーにわけもわからず怒られるときだ。
「そんなことも知らないでここに来たってわけ?何、冷やかし?」
「ぞ、そんなつもりは…………」
「だったら何の用?用がないならさっさと消えなさい」
な、なんで初対面なの怒らせてしまったんだ。何かしたかな俺?必死に考えてみるが、心当たりがない。
「すまないな。今のこいつは虫の居所が悪いんだ。改竄について私から説明しよう。先ほど言った改竄とは、正しくは魂の改竄というものだ。まぁ、言ってしまえば。サーヴァントとの魔力供給を良くしたり、その過程でサーヴァントが使えなかったスキルなんかを取り戻したりする手助けみたいな物かな」
戸惑う俺を見兼ねてか黙っていた青髪の女性が色々と説明してくれた。つまり、車で例えるなら整備のようなもので、この二人は整備士みたいなものか。
「これくらいも説明しろ。それくらいもできないのか」
手にした煙草を吸うと、挑発するかのように煙を赤い長髪の女性に吹きかけた。煙を浴びた赤い長髪の女性は、体を震わせギロリと青髪の女性を睨む。
「姉貴ィッ!あんたいい加減にしなさいよっ!!何百、いや何千本タバコ吸えば気が済むのよ!?」
赤い長髪の女性が言う通り、青髪の女性から少し離れた位置にタバコの山ができている。何本とかそういうレベルじゃない。常人なら直ぐに肺ガンになるくらいの量だ。
「うるさい。校舎全体禁煙で唯一吸える場所がこの教会内しかないんだ。だったらここで吸えるだけ吸うのは当たり前だろう。それくらいもわからないのか?」
「けど限度ってもんがあるでしょうがっ!!」
赤髪の女性に怒りがどんどん募っていくのがよくわかる。一触即発の雰囲気が場に流れる中
『マスター。ここ一度外にでよう。この二人の戦いに巻き込まれたら確実に死ぬぞ』
アーチャーの言う通り、ここにいるのはまずいような気がする。俺は二人に気づかれないように出口へと向かう。
「相変わらず怒りっぽいな。そんなんだから先ほど失敗して、ムーンセルから苦情が来るんだ。マスターに暴行をするしな」
「ちょっ!?アレはマスターが悪
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