教会
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かな……………」
思わず、肩を落としため息をつきながら呟く。この世界でそんな都合のいい人なんているわけないか………………。
「あの〜よくわかりませんが、魔術に詳しい人なら教会に行けばいいかと………」
教会?
「そんなものこの学校にあったか?」
初日にこの学校を探索したが、そんな建物どころか部屋なんかは見当たらなかった。それになぜ教会が学校に?
キリスト教などを授業で教える学校には礼拝堂があるや教会学校というものは聞いたことがある。しかし、教会が丸ごと学校にあるなんて聞いたことがない。目立つからすぐに見逃すわけがないと思うが………………。
「普通に探したらまず見つかりません。保健室を出て右にある非常口から進まないと教会にいけないんです」
「あっ、そうなんだ」
言われてみると非常口が確かにあった。非常口なんて日頃開けないから盲点だったな。
「行ってみるよ。ありがとう桜」
「いいえ、お礼なんて。頑張ってください衛宮さん」
「ここか」
保健室を後にした俺はアーチャーと共に教会へと足を運んだ。教会の周りには花が咲き誇り、噴水の水が綺麗なアーチを描いている。
「ほぅ、綺麗なものだ」
「ああ、俺たちの知っている教会とは大違いだ」
教会と聞いて思いつくものは、礼拝堂全体から不穏なオーラがにじみ出ているあの教会や薄ら笑いを浮かべたエセ神父。いいところが何も思いつかない。
「ろくな思い出がないな……………」
アーチャーは何処か遠くを見つめながら、ぼそりと呟く。こいつはこいつで教会に嫌な思い出でもあるのだろう。一体どんな内容なのか少し気になる。いずれ俺も体験するかもしれないしな
「ま、まあ、とりあえず入ろうぜ」
俺は扉の取っ手に手をかけられようとした瞬間
「マスター!」
アーチャーはいきなり俺の後ろ襟首を掴み、引っ張ってきた。いきなり何を……………!引っ張られると同時に扉は突然開き
「出てけ!このクソガキ!!」
女の人とも思われる怒鳴り声とともに一人の男が飛んできた。飛んできた男は地面を数回転がり、慌てて立ち上がると
「ご、ごめんなさい!!」
涙や鼻水を垂らしながら、そのまま校舎へと逃げて行った。何か怖いものでも見たかのような反応だ。この奥に一体何が………………。開かれた扉から中を覗き込むと
「うわっ!」
咄嗟に鼻をつまんだ。教会の中にはタバコの臭いが充満している。匂いがかなりきつい。匂いに慣れるまで鼻をつまんでおこう
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